内容説明
1938年、寅年、昭和の暗い谷間…ドイツ第三帝国と同盟を結んでいる日本、一人の男が東京を駆けめぐる。ホテルのバーに立ち寄り、女を口説き、役人を買収する。スポーツ選手もどきの体、アルコール中毒寸前のあやうい動作、不眠でやつれた相貌―「出口なし」のスパイ―ゾルゲ。過酷な諜報活動と粛清の恐怖に苛まれながら、狂気の瀬戸際を疾走するその姿を、激動の歴史の弦に共鳴し、ときに逆らいながら、はりつめた文体で描く歴史小説。
著者等紹介
スポルテス,モルガン[スポルテス,モルガン][Sport`es,Morgan]
小説家。1947年アルジェ生まれ。パリ大学で文学と歴史を学ぶ。文化交流協力員としてタイに3年間滞在。2000年、関西日仏交流会館の専門研究員として日本に滞在
吉田恒雄[ヨシダツネオ]
1947年千葉県生まれ。市川高校卒。1970年に渡仏、日仏の大学除籍。フランス油田施設整備会社を経て、旅行会社(ジャルパック・フランス)に約30年勤務、現地側トップとして経営全般にたずさわる。2003年、退社後翻訳業に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
55
句点の付け方のリズムが合わず、実に読みにくかった~粘土をこね回すような。作中ゾルゲ・尾崎秀美・予徳は何故か仮名になっている。筆者はドキュメントタッチにしつつも自らのスパイに対する想いをフィクションで炸裂させたかったのだろうか。ゾルゲは来日僅か5年で死へとジャンプ。活躍時期❓1938前後の世界の昏さは筆舌に尽くしがたい・・ドイツはファシズムまっしぐら、水晶の夜が起きている。日ソ関係は緊張の中 破綻の道へ、国自体スターリンの死の粛清の途についた時期。母国を嫌いつつ女に溺れ酒に身を浸し役人を札束で叩き人格破綻2022/05/26
浮草堂美奈
1
図書館で借りて。ゾルゲを主人公にした小説とは、それだけでワクワクするじゃありませんか! 共産主義の勝利にとりつかれながらも、そのあまりに巨大な責任から、酒と女に「衝動的自殺」を繰り返すアンチ・ヒーローのスパイ物語! 最高!2016/03/06
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