戦争と権力―国家、軍事紛争と国際システム

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000236805
  • NDC分類 319
  • Cコード C0031

内容説明

「軍事テクノロジーの変化、経済・情報のグローバル化、環境問題などによって、現在、私たちの生きている時代は根源的な変革を遂げつつある」としばしば主張されるが、その認識は果たして正しいか。本書は軍事革命、および近代国家システムの基礎が形成された十六世紀からの歴史を丹念に辿り直し、今世紀の国家権力、軍事紛争、そして国際システムに起こるであろう展開を考察、世界の近未来を予測する。デモクラシーやグローバル化の理論に関して、世界的に最も注目された研究者の一人であり、惜しくも二〇〇三年に急逝したP・ハーストの単著、初の邦訳。

目次

第1章 軍事革命(一六世紀の軍事革命;一八五〇‐一九一八年の産業時代における戦争 ほか)
第2章 ウェストファリア体制期における国際システム(中世の多元主義から近代国家へ;国際システムの出現 ほか)
第3章 未来の戦争(冷戦後;新しい戦争? ほか)
第4章 国際システムの未来(国家は衰退しつつあるか;国家および国際システムの未来 ほか)

著者等紹介

ハースト,ポール・Q.[ハースト,ポールQ.][Hirst,Paul Quentin]
1946年イギリスのデボン州生まれ。2003年に死去。生前は、ロンドン大学バークベック・カレッジ教授。専攻は、社会理論。特にデモクラシーやグローバリゼーションの理論に関して、世界的に最も注目された研究者の一人

佐々木寛[ササキヒロシ]
1966年香川県生まれ。新潟国際情報大学教授。専攻は、平和研究、国際政治理論。立教大学法学部助手、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、現職。2008年よりカリフォルニア大学バークレー校客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

2
16世紀以降の軍事技術の発展が今後の国家権力、戦争、国際システムにどう影響を与えるかを考察。一般の見方と異なり、彼はいわゆるグローバリゼーションが今の国際秩序を大きく返るとは考えていない。むしろ地球温暖化などの気候変動、南北格差が今の国際秩序を崩壊させてしまうのではないか、との懸念を持っている。2014/03/18

産廃屋

1
19世紀、排他的領土性による国民及び国民国家の成立。そして物理的暴力の独占=国軍の誕生。その相互承認としての国家間システム。グローバリゼイションは現代特有のものではない。2009/05/07

抹茶ケーキ

0
グローバル化が進んでいるとはいえ、国際関係において国家はこれからも重要なプレイヤーであり続けるだろうし、またそうあるべきだとの主張。前半は結構慎重に論を進めてたのに、後半は論証をせずに「未来はこうなる」みたいな断定が結構多くなってた。絶筆らしいし、なんか色々あったんだろうか。2016/06/16

Kenji Suzuya

0
筆者の主張の中心は、経済的グローバリズムの影響力は過大評価されており、今後もあくまで主権国家が国際システムの主要の構成要素でありつづける、ということである。そのため、「軍事上の革命」など軍事技術について論じた箇所は主張の中心には関わらないし不要である。また、グローバリズムの過大評価を戒める一方で、アングロサクソン的=アメリカ的な経済や富の分配のあり方を批判しており、きっちり左翼的である。ともかくも、タイトルの付け方を間違っており、こういう本こそ、邦訳の際に原タイトルを無視し香ばしい表題を与えるべきでは。2014/10/14

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