ジャック・ラカン精神分析の倫理〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 264p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000236300
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0011

出版社内容情報

1960年に行われたジャック・ラカンのセミネール第7巻.下巻では,ソフォクレスの『アンティゴネ』を取り上げ,「裏切られても後悔しない」アンティゴネの生き方に,精神分析の倫理を求めていく.

内容説明

「精神分析における倫理とはなにか」。この根本的な問いをテーマに掲げた、一九六〇年のジャック・ラカンのセミネール。下巻では、ソフォクレスの『アンティゴネ』を導きの糸としながら、フロイトによって切り拓かれた精神分析の本質を探究していく。主体の欲望を突きつめることを推奨し、「汝、欲望することなかれ」とは正反対の「汝、欲望に関して譲歩することなかれ」という倫理格率をうち立てるにいたるまでの白熱した議論の記録。

目次

享楽のパラドックス(神の死;隣人愛;侵犯の享楽;死の欲動;善の機能;美の機能)
悲劇の本質ソフォクレスの『アンティゴネ』への注釈(アンティゴネの輝き;この戯曲の組み立て;二つの死の間におけるアンティゴネ)
精神分析の悲劇的次元(幸福の要求と精神分析の約束;精神分析の道徳的諸目標;倫理の諸パラドックス―あるいは「汝は汝の欲望に従って行動したか」)

著者等紹介

ラカン,ジャック[ラカン,ジャック][Lacan,Jacques]
1901‐1981。フランスの精神分析家。パリに生まれ、パリ大学で精神医学を修め、主にパラノイアを研究。第二次大戦後、フロイト理論をラディカルに展開し、有名な「鏡像段階論」をはじめとする自我や無意識の構造主義的探究によって、精神の科学に新たなる地平を拓いた。1964年にはパリ・フロイト派を創設し、その後のフランス精神分析の隆盛に決定的な役割を果たす。その思想活動は哲学・社会学・文学・言語論・記号論などにも広範な影響を及ぼした
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感想・レビュー

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またの名

11
なぜ道徳哲学者カントと倒錯者サドが同じなのか? 快を目指す快原理が享楽への到達を妨げるのなら、裏返すと享楽へ近づくほど不快は増大し、定義から身体感覚にとって耐えがたい不快な義務を課すカントの道徳法則=享楽となる。ラカンに言わせれば、すべての権力は「労働を続けろ、停止するな。欲望を少しでも表出してはならない」との布告を発して享楽への欲望については譲歩するよう強いるので、譲歩した後悔から生じる罪悪感が主体を責め続ける。欲望を諦めてはならない、という精神分析の倫理は人を広い意味で社畜化する権力のモラルとは対立。2018/12/31

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