出版社内容情報
「精神分析の倫理」をテーマに掲げた,ジャック・ラカンのセミネール第7巻.上巻では,フロイトの「欲望」概念を切り口に,主体における欲望のメカニズムや,欲望の対象と主体との構造について論じる.
内容説明
「精神分析における倫理とはなにか」。この根本的な問いをテーマに掲げた、一九六〇年のジャック・ラカンのセミネール。上巻では、独自の「もの das Ding」という概念を導入しつつ、主体における欲望のメカニズムや、欲望の対象と主体との関係という、精神分析の根幹に関わる問題を論じる。聖書の十戒に見られるような規範が持つ構造を、精神分析の視点から明らかにしようとするラカンの意気込みが、カントやサド、聖書などの豊富な引用を交えた講義から生き生きと浮かび上がってくる。
目次
“もの”の導入(快楽と現実;『草稿Entwurf』の再読;「もの das Ding」;道徳的法則について)
昇華の問題(諸欲動とルアー;対象と“もの”;「無からex nihilo」の創造について;余白の短い注釈;アナモルフォーズする宮廷愛;ベルンフェルト批判)
著者等紹介
ラカン,ジャック[ラカン,ジャック][Lacan,Jacques]
1901‐1981。フランスの精神分析家。パリに生まれ、パリ大学で精神医学を修め、主にパラノイアを研究。第二次大戦後、フロイト理論をラディカルに展開し、有名な「鏡像段階論」をはじめとする自我や無意識の構造主義的探究によって、精神の科学に新たなる地平を拓いた。1964年にはパリ・フロイト派を創設し、その後のフランス精神分析の隆盛に決定的な役割を果たす。その思想活動は哲学・社会学・文学・言語論・記号論などにも広範な影響を及ぼした
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またの名
ルンブマ