出版社内容情報
戦後フィンランドの中立主義はどのように成立したのか.大国を相手にパワーポリティクスをおこなえない小国にとってのリアリズムとは,いかなるものか.フィンランド首相(のち大統領)パーシキヴィのリーダーシップを軸に,一次史料を駆使して謎に挑む本書は,憲法第九条を擁する日本にとっても示唆するところが多いだろう.
目次
第1編 背景―戦間期の位相と二つの対ソ戦争(新興欧州国としてのフィンランドの位相;二つの対ソ戦争の原因の省察)
第2編 契機―連合国管理委員会下のフィンランド(戦後政治過程と「小国」の論理;戦争責任問題をめぐる政治過程)
第3編 序曲―冷戦の亢進とフィンランドの対応(冷戦予兆下での講和条約締結の政治過程;冷戦顕著下の国際社会復帰と中立主義の確立;コミンフォルムの設立とフィンランド共産党の命運)
第4編 試練―対ソ友好・協力・相互援助条約の成立と結果(冷戦亢進下での同盟構想の復活;ソ連による提議と対案の策定過程;モスクワ交渉の経過と条約の成立)
著者等紹介
百瀬宏[モモセヒロシ]
1932年東京生まれ。東京大学社会科学研究科大学院(国際関係論専攻)修了。北海道大学法学部附属スラブ研究施設助教授・教授、津田塾大学教授、広島市立大学教授を歴任。専攻、国際関係学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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