『正法眼蔵』参究―道の奥義の形而上学

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000234559
  • NDC分類 188.84
  • Cコード C0014

内容説明

現代に生きる道元、その詩的宇宙の秘密を解き明かす。難解をもって鳴るテクストを、体験を踏まえてわかりやすく解説する。道元との対話と修行の26年、その苦闘の日々が生んだ、身読の書。

目次

序論 「現成公案」解釈の意義
前篇 「現成公案」巻の解釈のための予備的研究(『宝慶記』;「現成公案」以前に書かれた三著作;道元が、われわれ迷える凡夫に教える悟りへの道)
本篇 「現成公案」の解釈(「現成公案」巻の趣旨;真実在に基づく仏道;迷悟と諸仏・衆生を定義し、諸仏の真の在り方を説く;仏道をどう習うか;仏の広大無辺な活きの奥義;鳥が天空を飛ぶが如く、魚が大海を泳ぐが如く;修証の秘訣と生きた範型、仏法讃歌へ)
後篇 仏道の奥義の参究(道元は人・万物の奥義と身の奥義とを語る;道元とキリスト教的修行の類似の探求―道元の機応同時説と「坐禅箴」再考;禅の歴史上の偉業―道元は兀兀座を「定義」した;道元の言詮主義―道の奥義は言葉で解き明かしうる)

著者等紹介

門脇佳吉[カドワキカキチ]
1926年生まれ、東京大学工学部卒業後、上智大学にて文学修士号、神学修士号を取得。ローマのグレゴリアン大学にてPh.D.取得。さらに、フォーダム大学で心理学を、レーゲンスブルグ大学でマイスター・エックハルトを研究する。上智大学名誉教授。カトリック・イエズス会司祭。大森曹玄老師に参禅、嗣法(1982年)。「道の共同体」師家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くり坊

4
著者の門脇氏はイエズス会士で「カトリック禅」を標榜した、かつての一人です。この本では「私の体験的解釈」という寸評が各所に書かれていて、そちらに参禅者として...キリスト者としての著者が見え隠れしており、知るところ、少ないところ、その見識に触れることができ、大変有意義でした。『正法眼蔵』などの全集に関する著作は、やはり原書の権代語訳などを渉猟しないと、分からないことが多々あるので、私にとっては、ずいぶんと先の読書作業になると思われます。2022/09/25

はちめ

2
著者はクリスチャンで、曹洞宗ではなく臨済宗に参禅して正法眼蔵を参究した成果としての一冊。著者の究極の目的は聖書の身読によるキリスト教の新たな解釈であり、特にパウロに関する著作に繋げて行くための本書であることは、この本の中で何度も語られている。それはともあれ、私は参禅はしていないので身読はできないのだが、正法眼蔵冒頭の現成公案の解釈については理解しやすいものがある。言葉によって悟りを伝えることはできるのだという道元の思いを著者も実践しているのだと思う。再読の価値がある一冊だと思う。2017/04/25

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