出版社内容情報
「日本人」を記録し続ける写真家による新たな集大成。
全国を訪ね歩いた写真家が出会い、対峙した六十人の肖像。そこには、欲望に振り回される社会のなかで、悩み苦しんだり夢を語ったりする、一人の「17歳」がいる。五年間に亘り月間誌『世界』に連載された、ライフワークの二十一世紀版。
内容説明
「個」を記録し続ける表現者による、新たなる結実。社会全体が一つの方向に向かい始めた21世紀の日本で、かけがえのない一人一人の「17歳」は何を思い、どう生きているのか。カラー17点+モノクロ60点を収録、テキストには英文対訳を付す。
著者等紹介
橋口譲二[ハシグチジョウジ]
1949年鹿児島生まれ。1981年第18回太陽賞。1992年平成4年度日本写真協会賞・年度賞。第8回東川賞・国内作家賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うずら
7
僕らはついつい歴史は過去のものだと思いがちだが、歴史は過去ではなく現在なのだ。(あとがきより) 今日の積み重ね=歴史 みんなどんな大人になったのかな。 我が家の17歳はどんな大人になるのかな。2013/11/02
さき
2
橋口さんの独特の切り口。そのときを写真で切り取り、簡単な質問と対話から写真の人物に個性を与えてるような感じ。写真と言葉があるから全然知らない人に親近感が持てる気がする。17歳は、読了二冊目だが、2001~2006年と言えばちょうど自分も17歳の時。確かに皆見えない輪から付かず離れずいる協調性が尊重されてた気がする。今思えば、それもあの若い頃の思い出なんだろうなぁ~。2015/03/22
tgw
2
その時々の17歳の人々を撮り、将来のこと、いま抱える不安などのインタビューを載せた写真集。自分の17歳当時を振り返り、こんなに将来のことなんて考えていたかな、と思う。著者があとがきに書いているように、何となく閉塞した気分を感じるコメントが多いけど、その中で何か希望を見つけようとする姿勢がまぶしい。時を経て読んでみれば、きっとまた違った読み方ができるだろう1冊。2014/06/25
ブラウン
1
名作。6×7モノクロ。全国の17歳を、橋口氏が誠実に繊細に撮影する。橋口氏の、独特な質問に17歳の少年、少女が答える。そして、みんなキリッと良い表情をしている。2020/09/17
ポルポ・ウィズ・バナナ
1
橋口氏は87年に17歳だった少年少女と邂逅した後、新たな17歳に目線を向けたわけだ。最近読んだ本にケータイ小説を挙げてる子が多い。時代。あとはパンツの丈がむっっちゃ2000年初頭。そして、巻末に氏も書かれているのだが「回りに合わせてしまう自分」について述べてる子が超多い。「怯え」「排除」「疎外」……SNSが普通にある2016年の17歳はどうなんだろうな。悪い面もありゃ良い面もあるわな。2016/10/23