内容説明
唄を忘れたカナリアが、歌い続けて二千曲―「東京行進曲」「東京音頭」「サーカスの唄」「同期の桜」「青い山脈」「トンコ節」「王将」…純粋詩と流行歌、フランス文学科教授と株屋。天才か凡俗の巨人か、大きな振幅を描いた西条八十の生涯にからむ五人の男たち―野口雨情、中山晋平、サトウ・ハチロー、古賀政男、服部良一。名もなき人びとの哀感を歌い、時代と共に泣いた、「唄の伝記」―昭和への鎮魂歌。
目次
序章 歌は世につれ(忘れた唄を思い出す;下駄ばきの作曲家 ほか)
第1章 殉死の明治(一民族・一文化という神話;戦争バブル ほか)
第2章 群衆の中の孤独(民謡採取から新民謡へ;昔恋しい銀座の柳 ほか)
第3章 愛欲と愛国(弾痕と男根;因果の歴史と時代の気分 ほか)
第4章 焼け跡の中の平等(時代が創った唄;民主主義を謳う ほか)
著者等紹介
斎藤憐[サイトウレン]
1940年生まれ、劇作家。早稲田大学露文科を中退し、俳優座養成所に入所。66年、自由劇場結成に参加する。後に演劇センター68を結成。80年に、「上海バンスキング」で岸田戯曲賞を、97年に、「カナリア」で第22回菊田一夫戯曲賞を受賞する
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