書物について―その形而下学と形而上学

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書物について―その形而下学と形而上学

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  • サイズ A5判/ページ数 400p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000233590
  • NDC分類 020.2
  • Cコード C0090

出版社内容情報

本というものは本当にただものではない.この物体を人類史の彼方に遡り,近代の書物の現場を経めぐり,現代のメディアとして論じる.興味深い逸話を満載,書物を媒介とした西欧文学史をなす,書物をめぐる究極の1冊.

内容説明

いつも手元にあって慣れ親しんでいる本/書物。書物とは何だろうか?「もの」としての書物が世に現れて、現代に至るまでその身につけてきた特質とそのありよう。書物という物体とその内容をなすものがひとつに溶けこんだ相において自在に語られる「書物への夢夢の書物」。その考察はおのずとヨーロッパ精神史を飾る多くの詩人、作家、思想家たち―マラルメ、ユゴー、ダンテ、プラトン、ビュトールら―の書物との関わり、文人たちの測り知れない書物への想いへと及んでゆく。

目次

1 書物の考古学(書物の誕生から確立へ;象徴としての書物;コデックス革命;“書物”の達成)
2 近代性と書物(グーテンベルク革命;図書館をめぐる想像界―バベルの影;“書物”と文学的絶対―『アテネーウム』誌グループ;バベルの影のもとに)
3 マラルメと“書物”
5 バベルのあと

著者等紹介

清水徹[シミズトオル]
1931年生まれ、フランス文学者/文芸評論家。ポール・ヴァレリー、ステファヌ・マラルメなどフランス世紀末文学を専攻。NRF以来の批評/思想の展開、ブランショ、フーコー、バルト、ドゥルーズ、デリダなどの精彩な読解・紹介者をもって知られる。ミシェル・ビュトール『時間割』(1975)の翻訳で第1回クローデル賞。また、1981年『文化の現在10』で「書物の形而下学と形而上学」を執筆、以来、物体としての書物と文学テクストについての考察をさまざまに追究、書物の形態学、書物論の論客として現在に至る
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

14
焚書坑儒。焚書することはたやすいが、書き換えるであったり、新しい物語を紡いだり、隣の世界に逃げかえるであったり、原形をとどめない形で生き残っていく。生き残ったものしか私には触れることができない。いままでに消えていった物語について話すことができない。邪馬台国が見つからないのは、たまたま隣の国に情報があって、それは消せなかっただけ。だから攻め込んだのかもしれない。ぜんぶ消すには征服するしかない。そんなことができるのだろうか。そのまま伝えることの難しさ。AIはそれっぽいことしか作ってくれない。それはまだ?2024/11/04

Hiro

3
難しくて苦労して読んだが十分に報われる充実した読書体験だった。口頭言語から文字言語への移行を巡ってプラトンの姿勢を論じた件り、世界全体を網羅する書物としての神曲の話、かつて聖堂などの建築物が持った役割と書物のそれとのアナロジー、巻物と冊子の違い、作品とテクストの違い、ビュトールの活躍など、精神性と物質性の精妙な調和の生み出す書物の素晴らしさを歴史的に辿る本書の叙述はずっしりと満ち足りた読後感を与えてくれた。理解の足りないところも多数自覚されるが新しい知識と言うより未知の体験を得られたことで大いに満足だ。2023/04/16

Nadja

0
デジタルテキストの本が増えてきたこの時代は(何度目かの)文明史的大転換期が始まっているのかも。途中で読み止めていた清水先生の本、やっと読了。久々のアカデミックな充足感を感じた。『書物/本とは・・・、ほんとうに ただものではない!』(帯より) 座右の書として大切にしよう。ただ、書物というハードは変わっても、ソフトとしての書物の持つテイストは変わらないかと。藤村記念歴程賞、読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞

EQR

0
コデックス革命とグーテンベルク革命だけちゃんと読んだ。巻物→冊子が確立するまでの約10世紀の間に音読→黙読が起こり、それはまた口語→文語でもあっただろう。思考はインタフェースに左右されるので、これは思考の変化でもある。その象徴が方法序説の書かれ方。2014/12/09

suzunone2012

0
象徴としての書物や美しい書物について、主にフランスから考察したもの。2013/09/16

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