最後の「天朝」〈下〉―毛沢東・金日成時代の中国と北朝鮮

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  • サイズ A5判/ページ数 352p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000230674
  • NDC分類 319.220
  • Cコード C0022

出版社内容情報

1975年4月、毛沢東は半島の武力統一を目指した金日成を相手にせず大いに失望させた。中朝関係の秘史が今明らかにされる。

内容説明

中国とソ連を両天秤にかける金日成に不満を持ちながらも、ソ連に対抗するために大規模な経済援助のみならず、中朝国境の画定で大幅な譲歩をしてまでも朝鮮の歓心を買おうとした毛沢東。しかし、毛は一九七五年四月の最後の会談で朝鮮半島の武力統一を本気で考えていた金日成に肩透かしをくわせ、大いに失望させた。長らくベールに包まれてきた中朝関係の秘史が今明らかにされる。

目次

第4章 懐柔政策―毛沢東、金日成を全力で支持(一九五六‐一九六〇年)
第5章 中ソ分裂―「恒久的」同盟条約の調印と住民の大挙越境(一九六〇‐一九六一年)
第6章 漁夫の利―長白山の「割譲」と蟻地獄の経済援助(一九六二‐一九六五年)
第7章 同床異夢―「文化大革命」の試練(一九六六‐一九七六年)
エピローグ 「改革開放」と中朝関係の仕切り直し
結び 中朝関係の歴史的位置づけ

著者等紹介

沈志華[シンシカ]
1950年北京生まれ。68年に解放軍入隊(71年まで)。北京石景山発電所、北京電力管理局勤務を経て、79年に中国社会科学院世界史系大学院入学。82年、深〓(せん)でビジネスに従事。1992年、民間学術団体の中国史学会東方歴史研究センター(後に北京東方歴史学会に改名)を設立、続いて「東方歴史研究出版基金」を創設。中国人民大学、北京大学、香港中文大学、米国ウィルソンセンターなどで客員教授もしくは研究員を歴任した後、2005年、華東師範大学歴史学部の終身教授、同大学冷戦国際史研究センター主任に就任。2016年6月、新設の同大学周辺国家研究院の院長に任命される

朱建栄[シュケンエイ]
1957年上海生まれ。81年華東師範大学外国語学部卒業。84年上海国際問題研究所付属大学院修士課程修了。86年来日。92年学習院大学で博士号(政治学)取得。総合研究開発機構、学習院大学の客員研究員などを経て、東洋学園大学グローバル・コミュニケーション学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

12
本書の訳者でテレビの討論番組でもお馴染の朱建栄教授が、"あとがき"で自著の執筆計画や他の仕事を押しのけて本書の翻訳・出版を優先させたと記しており、本書に歴史的価値を感じた様子が熱く伝わってくる。◆中国において極めてデリケートな中朝関係の歴史を、毛沢東と金日成が変化する国際情勢の中でどう対応してきたのか、お互いをどう見てきたのかを深く掘り下げながら検証しており、朱教授同様その内容の凄さに圧倒された。著者は今後公文書の機密解除の状況次第で中韓国交樹立の内幕も含めた続編も書く予定との事。涎が^^; 2016/11/15

Masako3

2
★★★ 下巻の盛り上がりに興味を惹かれて一気に読んだ。毛沢東と金日成の人間ドラマを内包している。中国の立場の危うさをうまく利用する小国の王、金日成の手腕は素晴らしい。毛沢東がそこまでイデオロギー上の立場を重要視していたことは、現在の中国の発展ぶりとイデオロギーのいいとこ取りの状況を見ると想像がつかない。また、北朝鮮がそのような中国に対してカードがなくなったこと、逆に中国の国際プレゼンスの向上寄与していることなど、その後の時代の流れを思うと感慨深い。2017/03/12

koochann

2
中国人義勇兵の駐在時の問題は沖縄の米軍基地問題とそっくり!58年2月、彼らの撤兵と共に金日成の権威、そして自主(チェチュ)路線は確立していく。朝鮮戦争後のハンガリー・ポーランド動乱の影響、中国の反右派闘争、党内粛清、そして中ソ論争の中での漁夫の利を得る金日成だが、そこには打算というよりも心の迷い、一貫性のなさ。中朝国境紛争で北朝鮮が中国孤立の弱みにつけこんで獲得した長白山は朝鮮民族にとって神の山であるだけではなく、金日成が抗日ゲリラを行った場所、そして金正日が生まれたとされる場だったとは奇想天外!それが中2016/12/13

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