内容説明
使用言語の問題、作家たちの「祖国」の分断、資料の散逸などにより、不在であった文学史。この本は、朝鮮半島にルーツを持つ在日朝鮮人による文学的営為のすべてを「在日朝鮮人文学」として規定し、「解放」直後に始まった脱植民地化という大きな流れの中で、葛藤、矛盾、対立を抱えながら生きた在日朝鮮人たちの精神世界の全体像を、その複層性そのままに浮かび上がらせようとするものである。一九四五年の「解放」から、日本文学界の媒体で作品発表が可能になる一九七〇年頃までを対象に、脱植民地化への切なる望みと激動の歴史を、文学という営為に賭けた作家たちに寄り添って描き出す、画期的著作。
目次
序章 文学史を書く
第1章 源流としての女性文学史―識字・ライティング・文学
第2章 文学史の主流―在日民族文学運動の主潮
第3章 いくつもの水流―オルタナティブな文学行為
第4章 海を渡る文学史―越境と離散を抱いて
終章 在日朝鮮人文学、あるいは言語のせめぎあう場
著者等紹介
宋恵媛[ソンヘウォン]
博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 電子書籍
- アメリカ大統領図書館 - 歴史的変遷と…
-
- 電子書籍
- 魔少女殺人事件~性犯罪捜査官・悦子3~…