内容説明
内戦や暴力、貧困…植民地支配の負の遺産に苦しみながらも前に進もうとするアフリカの多様な姿を、そこに生きる人々の姿を通して、生き生きと伝える。
目次
序章 眠らぬものたちが暮らす大陸
第1章 続く「虹の国」の挑戦―南アフリカ
第2章 テロへの怯え―ウガンダ
第3章 カダフィ大佐の夢を挫く民衆の夢―リビア
第4章 大虐殺から一五年抗争後のいま―ルワンダ
第5章 HIVの偏見・差別を生きる―カメルーン
第6章 大国の分離、新国家独立の苦い味―スーダン、南スーダン
第7章 オバマ大統領のルーツを訪ねて―ケニア
第8章 奴隷貿易の遠い記憶―ガーナ
第9章 孤独な取材現場―ジンバブエ
終章 ぐっすりと眠れる日々は来るのだろうか
著者等紹介
高尾具成[タカオトモナリ]
1967年、静岡県藤枝市生まれ。日本大学国際関係学部卒業。1991年に毎日新聞社入社、広島支局、神戸支局、大阪本社社会部、東京本社外信部などで勤務。被爆者や阪神・淡路大震災被災者、米国同時多発テロ、それに続くアフガニスタン空爆による難民、国内避難民などを取材してきた。2008年3月‐2012年3月、南アフリカ・ヨハネスブルク支局。2012年4月から東日本大震災の被災地、岩手県釜石市に赴任。ジンバブエ大統領選などのアフリカ報道で2008年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
midnightbluesky
4
著者はアフリカレポの大家、松本仁一氏へのリスペクトも忘れない。 確かにアフリカは日本からは何もかもが遠い地域ではあるが、こういう今レポはいつも必要である。2014/05/19
カネコ
4
◎2013/12/15
ワッピー
3
題名の気軽さに騙されて手に取りましたが、どうしてどうして重い一撃でした。近年、中国市場の失速感からか、新たな市場開拓先としてアフリカに注目が集まっているような雰囲気を感じますが、そんな軽い興味などでは太刀打ちできない重い現実があります。最初こそW杯開催に沸く南アフリカから入りましたが、経済問題、宗教対立、テロや民族差別に悩むアフリカ諸国の現状を伝えてくる本格のルポルタージュでした。ワッピーにとってアフリカは実に混沌として、絡まりあった問題が山積し、それでもなお人々のたくましさが輝く不思議な世界です。2014/07/10
sutekibito
2
アフリカの現状がジャーナリストの観点で切り取られていきます。その歴史的背景、民族間の争いなど、知らなかったことがたくさん学べました。丁度今も、南スーダンの内戦が日々報道されるのを、緊張感を持って接しています。 感情が抑えらえた文章の後の、「あとがき」に感涙しました。2013/12/26
渓流
2
記者証をもっての取材じゃ、いくらサンダルを履いたって言ったって、裏長屋に住む市井のアフリカの民の肉声と吐息までは伝わらないね。政治の話が多すぎ、サンダルを履いてというタイトルから我輩が期待したのはアフリカの人々の生活の臭いだったのだか、それは期待はずれだった。2013/10/04