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最後の審判を生き延びて―劉暁波文集

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  • サイズ B6判/ページ数 402,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000230384
  • NDC分類 302.22
  • Cコード C0030

出版社内容情報

ノーベル平和賞受賞者ここ20年の作品を精選。授賞式で代読された文章も全文収録。

劉は80年代は「文壇の暴れ馬」の異名をとり,89年天安門事件では「ハンスト宣言」を発し,事件後逮捕。08年には「08憲章」を発表し「国家政権転覆扇動罪」で懲役刑に服している。彼の詩・エッセイ・時事評論・関連文書を通して,公共知識人としての主張が中国人の心をつかみ,国際社会の支持を集めてきた理由が分かるだろう。

内容説明

二〇一〇年度のノーベル平和賞を受賞した劉暁波。彼は八〇年代はその過激な中国伝統文化批判で「文壇の暴れ馬」の異名を取り、一九八九年の天安門事件で「ハンスト宣言」をして「反革命宣伝扇動罪」に問われ、逮捕された。二〇〇八年一二月には「〇八憲章」をネットで呼びかけ、「国家政権転覆扇動罪」がくだされ、服役中である。天安門事件の後から、各雑誌・インターネット上で発表されたエッセイ・評論・詩・関係文書などを精選。中国国内で言論活動を続ける友人・徐友漁があとがきを寄せ、劉の思想と行動の真実に迫る。彼の逮捕と受賞は中国の人権状況をあぶりだし、憲政民主への道のりの遠さを暗示させている。彼は同時代中国をどのように見ているのか。天安門事件は以後の彼の民主化ビジョンにどのような影を藤としているのか。公正で自由な中国社会はいかにすれば実現できるのか。壮絶なまでの自問自答が、ここには記録されている。

目次

評論1 中国の特色ある政治(ポスト全体主義時代の精神風景;社会を変えて政権を変える ほか)
評論2 中国と世界(中国経済の独り勝ちの裏で;大国台頭の裏で ほか)
評論3 文化と社会(『現代中国知識人批判』あとがき;林昭が生命で書いた遺言は、現代中国にわずかに残る自由の声である ほか)
文書(六・二ハンスト宣言;〇八憲章 ほか)
詩(一七歳へ―「六四」二周年を祭る;時間の呪詛の中で―「六四」一〇周年を祭る ほか)
付録 劉暁波判決文

著者等紹介

劉暁波[リュウギョウハ]
1955年12月28日中国吉林省長春市に生まれる。1982年7月吉林大学中文系を卒業、文学学士の学位を取得。9月北京師範大学中文系修士課程に入学。1984年7月北京師範大学中文系修士課程を修了、文学修士の学位を取得。1984‐1986年北京師範大学中文系で教職に就く。1986年9月北京師範大学中文系博士課程に入学、中国社会科学院文学研究所で開催された「新時期十年文学検討会」において、「新時期文学は危機に面している」と発言し注目される

廖天〓[リョウテンキ]
中国で生まれ台湾で育つ。台湾大学外文系卒業。1970年代にドイツの中国研究者Helmut Martin氏と結婚し、以後ドイツに定住。ハンブルク・アジア研究所研究員、ルール大学ボーフムの教員を経て、リチャードウィルヘルム翻訳研究センターにて中国文学のドイツ語翻訳に従事。2001‐10年、ワシントンの労改基金会主任。2009年、独立中文筆会会長就任

劉霞[リュウカ]
1963年生。詩人、写真家、劉暁波夫人

丸川哲史[マルカワテツシ]
1963年生。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了、論文博士(学術)、明治大学政治経済学部准教授。中国・台湾文学専攻

鈴木将久[スズキマサヒサ]
1967年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、明治大学政治経済学部教授。中国近代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

39
録画してあったBS1スペシャル「それでも声を上げ続ける~香港 記者たちの闘い~」 を観た。 そこには、去年6月、発行停止に追い込まれた香港の新聞「リンゴ日報」の元記者が、「言論の自由」を守るために、今もなお孤独な闘いを続ける姿が取り上げられていた。 香港の春は逝った。 そして今は、いつ終わるとも知れない長い冬が始まったばかりだ。 あまりの無念に本書を手に取った。/ 2022/01/27

メルセ・ひすい

2
15-11 ★ゴッホと君ー小霞へ…君の字を見ると僕は恥ずかしくなる 手紙の絶望は識別しがたいのに 筆跡はますます美しい ゴッホのひまわりが、君の ペンだこに生えている  あの空いた椅子を大切にして 君は読み書きをしない 姿勢を換えて つまり記憶を換えて 君は平静に強奪と向き合い ひとりゴッホの絵を鑑賞する … ノーベル平和賞を受賞した劉暁波。天安門事件の後から、各雑誌・インターネット上で発表されたエッセイ・評論・詩・関係文書などを精選。非暴力による自由・人権・民主・憲政への思いを綴った決定版文集。 2011/04/28

古本虫がさまよう

0
「私には敵はいない」も収録されている。取り調べる警察官たちは「自白の強要もなかった」「穏やかで理性的であり、しかも常に善意がにじみ出るものだった」とのこと。だから「私には敵はいない」と。ただ、それは彼がノーベル賞受賞者だから。そうでなければ、中共当局は、非道な扱いを容疑者に対して行なっている。日本の何処に、劉暁波がいるか? 安倍を倒せを怒鳴り、権力者と異なる意見を表明する自由がある日本。彼が「連綿と続いている言論弾圧の最後の被害者どなり、今後は言論を罪に問われる人が二度とないように」はまだならないだろう。2017/07/16

koji

0
訳者解説が物議を醸したノーベル平和賞受賞者の文集。評論、文書、詩が掲載されています。論点は多岐にわたりますが、中東・アフリカの民主化運動に象徴されるように、一党独裁政権の存立がネット社会の中で基盤を揺るがせている点に最も関心を持ちました。2011/06/01

としゆき

0
昨年のノーベル平和賞受賞者の著作。内容自体も、中国という国が抱える問題を知るうえで参考になる。しかし、最も考えさせられるのは、この自由や人権を求める一連の文章に「国家政権転覆扇動罪」が適用されたということ。付録の判決文は、世界第2の経済大国の暗部を突きつけてくる。2011/05/08

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