出版社内容情報
いまも新鮮な感動を覚える豊かで繊細な日本の四季、辛酸をなめた文革時代の思い出、エネルギッシュな現代中国、世界各地への旅での出会いなど、豊かな体験を通じて描かれる日本人と中国人の愉快な素顔。待望の新エッセイ集。
内容説明
いまも新鮮な感動を覚える豊かで繊細な日本の四季、エネルギッシュに躍動する現代中国、辛酸をなめた文革時代の思い出、シベリア、トルコ、カナダなど世界各地への旅で出会った人びととさまざまな暮らし…。元気だけれどかなり大雑把な中国人と、几帳面だけれどいささか融通のきかない日本人の、知れば知るほど愉快な素顔を、おおらかなユーモアで描く。
目次
春夏秋冬の巻(花の感性 水の記憶;黄砂と花粉のどちらを選ぶか ほか)
暮らしの「比較文化」の巻(中国のにおいと元気の印;細緻と粗雑という両極の美学 ほか)
「中華思想」の苦悩の巻(「中国人」とは誰なのか;食あってこその中国 ほか)
人生は旅の巻(一〇〇万回も北京の夢;さくらの旅 豊かな人生 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本とフルート
1
現代の中国に関しても理解を深めたいなあ、と思って手に取った一冊。ユーモアたっぷりに現在の日中関係に切り込んでいく。作者自身、実際に下放政策で従軍も経験するなど、多様な経験を持つ人ならではの豊かな視点に唸った。今まで想像できなかった世界がある。2021/09/11
ゆうこ
1
福音館書店の唐亜明さんのエッセイ。日本と中国どちらに肩入れするでもなくほどよい加減の内容だが、本当はもっと言いたいことがありそうだな。2016/09/14
ppp
1
日本と中国に関わりの深い筆者の一種の比較文化論的なエッセーといってよいだろうか。かなり博学な方で、中国の文化、中国人の思考法について、学ぶところがあった。実は私の知人(学姉)の親御さんがこの筆者であり、そういう意味でも興味深く拝見させてもらった。個人レベルでは、二国間の対立、ナショナリズムの衝突を望む人は極めて少ないだろうが、異文化交流の背後には、不可避的に国、国籍がつきまとうもので、繰り返される筆者の主張の裏側で、この矛盾について考えさせられた。今後日中関係はどうなっていくのだろうか。2011/02/15