策略―女性を軍事化する国際政治

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  • サイズ B6判/ページ数 311p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000230155
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

内容説明

女性の軍事化とは軍隊や戦争にのみ関わるものではない。それは「女らしさ」の概念そのものに深く根をおろし、女性たちの分断を作りだしている。著者は、女性兵士から男性兵士の妻や母、レイプ犠牲者、基地周辺の風俗関係者まで、かけはなれた状況にある女性たちを「女性の軍事化」という理論的枠組みであざやかに結びつける。女性たちの分断を作りだしている「策略」とはどのようなものか。幅広い事例に立脚し、軍事とジェンダーの深い関係を照射する。

目次

第1章 スープ缶はいかに軍事化されるか?(女子高生が行進する時;軍隊におけるレズビアンとゲイ;軍事化と男らしさと決定)
第2章 洗濯女、兵士そして国家(軍隊はキャンプ・フォロワーを必要とする;たんなるもうひとつの家父長制的制度以上のもの;軍事化された女性たちの網の目)
第3章 兵士がレイプする時(娯楽を求める兵士たち;国家安全保障の道具としてのレイプ;フィリピン;チリ;「戦利品としてのレイプ」―戦争、レイプ、フェミニズム、ナショナリズム;野獣、少年、紳士)
第4章 兵員の充足―母として、兵士として、フェミニストとして、ファッションデザイナーとしての女性の軍事化(徴兵制廃止後―軍事化された民間人、傭兵、子ども兵士;市民権の男性化、母性の軍事化;どの兵士がハイヒールを履くべきか?;国軍女性兵士についてのフェミニストたちの考え)
結論―決定、決定、決定

著者等紹介

上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年生まれ。京都大学文学研究科博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は社会学

佐藤文香[サトウフミカ]
1972年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了。一橋大学大学院社会学研究科助教授。専門はジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kenitirokikuti

6
図書館にて拾い読み。「(男性)徴兵制」が廃止され、志願制となるとはどういうことか? 若い男も兵隊になる(=就職先としての軍隊)ことを以前より好まなくなる。ので、兵士の母に市民権を授与したりする。兵士の妻・母・娘としての女。反対に女性兵士とはどうあるべきか? 軍隊の女性用制服デザインはどうあるべきか? 「男装」は選ばれなかった。WW1の英国軍は、女性用制服に胸ポケットをつけないことにした。世界大戦後、各国軍は女性を退役させ、再度男性化した。70年代にまた共学化してゆく▲女性兵士の制服デザイン、やや盲点だった2020/07/23

イカ

0
 軍事化という現象は非常に複雑である。同じ一人の人間の中に被害と加害が混在する。誰が何に向けて何を批判すればよいのかが明確でない。  この複雑さにつけこみ「被害者」「加害者」というレッテルを貼ることで人々を分断する戦略は、軍事化を推進する側だけの専売特許ではない。非軍事化を目指す側も同じ戦略をとる。だから反軍事化のための「連帯」は有効ではない。  本書は、軍事化の正体を幅広い観点から暴き出し続けるという方法を示す。本書が示す具体例は、国境や互いの利害関係を超えて集められ丁寧に詳細に分析されている。2017/08/30

cijimachang

0
訳者解説。2022/09/22

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