出版社内容情報
梅田スカイビル、京都駅ビル、札幌ドーム……。「集落への旅」を起点に、生涯、「建築に何が可能か」を問い続けた哲人・建築家。氏を師と仰ぐ都市論の第一人者を相手に、自らの人生と思想を縦横無尽に語った対角線の対話。一月に逝去した原が、最後まで全力で取り組み、遺したオーラルヒストリー。[図版多数・口絵一丁]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tenouji
10
面白かったので、一気読み。言説は、戦後日本の批評そのもので、いわゆる「部分と全体」の話しを、多方面の話題で語っている。ただ、生命科学や情報工学的な側面で語られることが多い、非線形性や自己創発性を、建築という空間論や場の理論として語っているところが、非常に新鮮であった。最近は情報処理分野でも使われる「スケール」の感覚は、建築分野の方が実感を伴ってイメージしやすい。書店に非常に気になって、思わず購入してしまったが、新しい気づきあり、楽しめました。2025/10/17
ganesha
3
梅田スカイビルや京都駅ビルを設計した建築家が、その研究室に在籍していた社会学者との対談で語った自身の人生、研究、作品。丹下健三に対する下の世代とゼミでの現地調査、逃亡者と集落との付き合い方が印象に残った。2025/06/07
kentaro mori
3
⚫︎都市と集落の違いはどこにあるのか。はっきりは言えないけれども、表象していくことを意識するのが都市であって、それを意識しないのが集落だと思います。⚫︎こっちと向こうが向き合っているという谷間の地形は非常に重要です。人間存在のあり方や対話を暗示している。それを、李白は雲と一緒に捉えました。自由に動く雲が浮遊する様が、有孔体、そして向かい合うということ、それらがそれぞれ繋がっていることは説明が必要かもしれません。しかし、実は谷間に屋根をかけると、そのまま建築ができあがります。そこで発生するのが雲です。雲が2025/05/30




