出版社内容情報
自由放任、労働価値説、差額地代説、セイの法則──古典派経済学にみるあまりに単純化され戯画化された「常識」。スミス、マルサス、リカードォたちは本当は何を語ったのか。彼らの原典を丹念に読みぬくなかから、彼ら自身の言葉でスミスとその学派の実像が甦る。いま古典を繙く人に贈るコンパクトな道案内。
内容説明
自由放任、労働価値説、差額地代説、セイの法則―古典派経済学を語る際にみられるあまりに単純化され戯画化された経済学史の「常識」。スミス、マルサス、リカードォ…彼らは本当は何を語ったのか。原典を丹念に読みぬくなかから、彼ら自身の言葉でスミスとその学派の実像が甦る。
目次
第1章 社会哲学(古典派経済学の意味;古典派経済学者の「保守主義」 ほか)
第2章 マクロ経済学(セイの法則;貨幣理論;財政政策;要約と結論)
第3章 ミクロ経済学(収穫逓減;地代 ほか)
第4章 方法論(科学;因果関係;定義;要約と結論)
著者等紹介
ゾーウェル,トーマス[ゾーウェル,トーマス] [Sowell,Thomas]
1930年生まれ。ハーバード大学卒業後、シカゴ大学で博士号取得。現在スタンフォード大学フーヴァー研究所ローズ・アンド・ミルトン・フリードマン・シニア・フェロー、専攻は経済学史、社会思想史
丸山徹[マルヤマトオル]
1949年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。同大学名誉教授、経済学博士。専攻は解析学、数理経済学。長く経済学史の講義も兼担(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
53
エフ文庫より。1974年初出。スミスは戦争が政府負債で賄われるのでなく、誰もが費用全貌を見て取ることができ、実感できるよう、現金払いの課税を強く主張(22頁)。ミルは他の古典派経済学者の誰れよりも問題の真の本質を論じた(『経済学の未解決問題』44頁)。食糧は、動植物からなり、すべては人間よりも短期間に、多くの子孫を伴って再生産される。マルサスの計算では、食糧十分な人口より、抑制なき人口成長の潜在力が大(78-9頁)。社会科学における因果関係は、物理学の様式を踏襲する考え方が暗黙に含まれる(123頁)。2024/09/25
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