内容説明
ラジオ、ライブ、エッセイなどで活躍の著者の言葉は、津軽弁と標準語のギャップをバネに高く跳び、ふくらみ、辞書を旅したかと思えば脇へ曲がる。ヒネリと笑いのツボ満載のエッセイ、心情あふれる方言詩(訳注付き)、木版画と見紛うイラストまで織り込んで、贅を尽くして言葉と遊ぶ心楽しい日々とその歩みを自在に語る。その驚きの日常が鍛えた優しさと強さ、言葉への愛が光る。
目次
第1講 バイリンガルの楽しい日々(方言は日常生活語なのですよ;二人の先達に恵まれて;日記で遊ぶ)
第2講 それは落語から始まった(憧れもあれば、違和感もある;あれは忘れもしない;よくできた落語だなあ)
第3講 言葉の贅を尽くしましょう(ごくごく素直に、どんどん曲がって;地口と縁語のオンパレード;漢字の遊びは乙なもの;あえてこだわり難癖つけて;まだまだ続くよ、どこまでも)
補講 津軽も日本の内
著者等紹介
伊奈かっぺい[イナカッペイ]
1947年青森県弘前市生まれ。ラジオパーソナリティをはじめエッセイ、詩、歌詞、イラストも手がけるマルチタレント、陸奥新報社を経て青森放送局に入社、2007年4月まで勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スパシーバ@日日是決戦
103
[2015年] 明治以降「方言撲滅運動」が何度かあった(現在「標準語」というものは正式には存在せず「共通語」と言う)。2014年、ユネスコの調査によると全世界で6000語あるといわれる言語のうち、2500語(日本ではアイヌ語、東京都の八丈語、鹿児島県の奄美語、沖縄県の八重山語・与那国語・沖縄語・国頭語・宮古語)が消滅の危機にさらされているらしい。金田一春彦先生がおっしゃるには、津軽弁と鹿児島弁が日本のなかでもっとも難解な方言だとさ。「どさ?」「ゆさ!」「だど?」「など!」「わど?」「など!」「へば」。2016/07/20
gtn
11
津軽生まれ津軽育ちの著者が、ラジオで江戸落語の粋に触れ、二十歳で初めて上野鈴本の寄席に行く。その感激はよく分かる。志ん生の登場に、爺さんだからと寄席を出ようとする無知なカップル。そいつらへの蔑視もよく分かる。2019/07/30
ず〜みん
5
図書館の本で読破。大阪といえば「かんぺーちゃん」津軽といえば「かっぺーさん」だと思っているほど地元密着型のタレントさん、そして私の学校の先輩。津軽弁の難しいところは、単語が現在の標準語と違う上に耳で聞いて微妙な発音を習得しなくてはならないことの一言に尽きる。逆も然り。だからこそ話せる人は郷土愛とともに愛着があるのだと思う。私は外に出たくて標準語練習したタチだけど、かっぺーさんは落語で標準語覚えてたんだという発見。方言だとついつい話してしまう、言葉の贅肉(よげしゃべり)。少し故郷が恋しくなりました。2018/02/10
だいきち
1
気が抜けない。シャレで片付けられない言葉の魔術師。頭の回転がすごいひとって、世の中にはいるもんなんだなあ。辞典監修の金田一先生も、この人には驚くだろうな。2016/03/03
triple_port
0
同じ県内に住んでいても津軽弁を日常生活で口にすることも耳にすることも少ないので、読むのも 大変だった。2021/09/29