内容説明
歴史を語るモノとしての系譜・神話を独自の視点から読み解き、古代における「歴史感覚」の特質を解明するとともに、ジェンダーと権力をめぐる普遍的な議論をふまえた斬新な女帝論を提示。古事記・日本書紀により垂直の時間軸をもつ王統譜として成型された「王権の歴史」の枠組みを超え出て、私たちの古代認識を根底から問いなおす、新しい日本古代王権論。
目次
第1章 系譜(“生の子”と“祖の子”―古系譜の語りと類型;「上祖」をめぐって―原ウヂの歴史意識;鉄剣銘からタテ系図へ―“過去”と向き合う自己;モノの名・カミの名・ヒトの名―“過去”の可塑性)
第2章 神話(三輪山祭祀と麻多智伝承;始原を語るモノと「み世」;神婚伝承の中のヒメ;王権神話の飛翔と“ヒメの死”;雄略と推古―重層する“記憶”)
第3章 王権(冊封と王位継承;王名の“記憶”;“記憶”から王統譜へ)
第4章 女帝(推戴と「遺詔」―推古;“譲位”と「皇祖母尊」―皇極;「天つ神の御子」―持続;宣命にみる“歴史”の創出―元明・元正;「皇緒」の確定―奈良時代政争史の結末)
著者等紹介
義江明子[ヨシエアキコ]
1948年生。東京教育大学文学部史学科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、帝京大学文学部教授。文学博士。専攻は日本古代史、女性史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



