内容説明
少子化、階層化、高齢化といった閉塞状況が日本社会をおおい、恋愛、結婚、家族、仕事などのあり方は激変している。現代の女性の生き方を画期的な視点から論じる小倉千加子氏と、買物依存、美容整形依存におちいりながら高度消費社会の混沌を生きる中村うさぎ氏が、この生きがたい状況をめぐり徹底的に語り合い、現代日本の見えない危機をえぐりだす。
目次
1 現代日本の「幸福」とは(依存症から見た現代の欲望;「有名な人」になりたい!;自己実現という物語 ほか)
2 高度消費社会の闇(体が感じる幸福;主婦の心の闇;消費の限界 ほか)
3 新しい愛と性の形(「オンナ」をコスプレする;女性性とは何か;カリスマ主婦のつくられ方 ほか)
著者等紹介
小倉千加子[オグラチカコ]
批評家。1952年大阪府生まれ。早稲田大学教育学部卒
中村うさぎ[ナカムラウサギ]
作家。1958年福岡県生まれ。同志社大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みゃーこ
67
小倉千賀子との対談。ピリピリ感が伝わる場面は両者の価値観がぶつかり合うんじゃないかと思いページをめくるのだが「うさぎ」自身何度もそのたぐいの質問は自分自身の中から発し解答を繰り返すことプロというか「自分依存症」の女性なので小倉千賀子らが考えうる価値観はすでに超越してしまっている感が否めないうさぎの応答が相変わらず自虐的でナルシストな女として好ましく思わせる何かを漂わせていた。いっちゃってる狂人女対社会問題にも目覚めたインテリのフェミニスト医との対談。2013/07/10
ふみふみ
5
人は常に他人を必要とし、その関係にアディクト(依存)する。納得。2013/02/06
まかほ
3
フェミ系の話題が多い真面目な語り合いだった。意見のぶつかり合いというか食い違いというか、それがいい。 女が「女のコスプレ」をしていることが「同・性同一性障害」っていう見方は面白いなあ。2018/07/19
フユコ
3
安野モヨコの「脂肪という名の服を着て」でまともな人は2人しかいないんですよ、というのを読んではぁ、確かにと気づかされた。2014/01/12
小豆
3
私は中村うさぎが嫌いだった。顔や身体を整形してまで「オンナ」をこれでもかと体現するから。しかし、読了後は少しだけ彼女のことを分かった気がした。そして、女性であることについて一緒に語ってみたいと思った。2009/11/30