言葉と記憶

言葉と記憶

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  • サイズ B6判/ページ数 291p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000228527
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0010

内容説明

二〇世紀の重要な出来事にかかわって記され、発せられた言葉に、私たちはどのように応答することが出来るのか。「ショアー」、「従軍慰安婦」問題、「南京大虐殺」、戦争責任―遺された痕跡の彼方に浮かび上がる、最も二〇世紀的な人間の経験をしっかりとみつめ、他者にひらかれた記憶の分有にむけて、新たな倫理の可能性を探る。

目次

言葉と記憶―ツェラーン、カツェネルソン、尹東柱
1 証言に接するということ(悲しみのトラディション―『ショアー』に登場するイディッシュ・リートについて;『ナヌムの家』を理解するひとつの試み―「分かる」ということをめぐって;恨と希望―姜徳景試論 ほか)
2 眼差しを向けること/向けられること(出来事と記憶―「南京大虐殺」六〇ヵ年によせて;方法としてのパラタクシス―「ラーベ日記」の公開によせて;戦争責任論への一視角―ふたつの「植民地」の交錯する場所)
3 想起することの可能性(思考と“アウシュヴィッツ”―ジョルジュ・アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』をめぐって;アーレントが読んだカフカ;遠い声―金時鐘と姜徳景 ほか)

著者等紹介

細見和之[ホソミカズユキ]
1962年生まれ。1991年大阪大学大学院人間科学研究科後期課程単位取得退学。大阪府立大学総合科学部助教授。詩人。専攻はドイツ思想
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感想・レビュー

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寛生

48
【図書館】韓国の旅客船が済州島への途上で沈没し、水死した多くの若い命を想い、哀しい気持ちで一杯な昨今、偶然にも本書は、金時鐘の、五、六人を針金で括って海に投げ込み虐殺した詩で終わる。それらの死体が済州島の砂浜に打ち上げられたと。昨日の永山則夫に引き続き、細見は本書においても、宙吊り状態におかれているユダヤ人や、慰安婦、在日韓国人の〈書き手〉に目を留める。南京大虐殺、ホロコースト、広島、長崎ー目を覆いたくなるような血と憎しみで覆われた暴力を被った身体は凄惨な暴力の傷痕を刻まれた言語となり生き続ける。2014/05/07

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