原子力発電の政治経済学

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  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000227957
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0033

内容説明

脱原発をめざすべきか、電力事業の発送電分離は妥当か、新エネルギーの可能性は…。福島第一原発の事故を契機に提起された種々の論点について、経済学の知見と電気事業審議会など現実の公共政策に携わってきた経験を踏まえて整理、分析。問題の真の所在はどこにあるのかを示して、その解決法を論じる。

目次

第1章 経済学からみた原子力発電
第2章 原子力発電推進科学者への不信
第3章 電力事業は公益事業であり公益性が守られなければならない
第4章 原子力発電事業について
第5章 発電コストにおける埋没費用と外部費用
第6章 21世紀の日本の電力エネルギーを支えるもの

著者等紹介

伊東光晴[イトウミツハル]
1927年生まれ。京都大学名誉教授。理論経済学、経済政策専攻。1951年東京商科大学(現一橋大学)卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

29
公益事業(public utilities、みんなのための事業103頁)論に立脚した電力産業論(ⅴ頁)。電力事業への競争の導入は電力各社間の経営比較(ヤードスティック・コンペティション)以外ない(ⅹ頁)。原発銀座 アヘンのような交付金(13頁~)。山村の振興、貧しい取り残されたかなしい山村ににダムを、貧しい海浜の町や村に原発を。ともに交付金で誘って建設を要望させる。政治は責任をとらない(16頁)。改めて強調したいのは、原発を日本に建設した責任は自民党にあること(17頁)。2015/12/17

飯田健雄

22
伊東先生の本を読むと、やはり、1970年代前半の自分に戻ってしまう。確か、『現代の資本主義』って先生の書いた本だったと思う。読んで、やっぱり原子力発電はダメなんだと、太陽光発電もダメ(補助金)また、再生エネルギー促進賦課金を電気料金の約1割弱とられている我が家(太陽光パネルなし)にも頭に来る。貧者がパネルを取り付けている長者の家に貢ぐ格差助長の太陽光発電だ!あんまりよくまとまってないけれど、先生の推奨する地熱発電はちょっと需要を賄えるのかな?結びの章の「ペレットストーブ」使ってみたーい。暖かそうだな!2016/07/16

ヅメ

6
原発反対のデモのそばを通ったときのことだ。工学者の視点から「原発は今すぐやめるべきだ」と言ったら、当時の彼女は「代わりがあればねえ」と言った。僕は黙り込んでしまった。それ以上に僕の中に議論を進める材料がなかったのだ。この本に出会うまで、それがずっと心残りだった。電力料金が決定される仕組みや、原発立地を促した補助金の話、なぜ太陽光発電の導入が進まないのか。著者の主張を鵜呑みするわけではない。しかしやっぱり、本当に知りたいことについては、一人が十分な文章量を使って書いているものを読むべきなのだと改めて思った。2015/01/08

Francis

6
著者は日本の優れたケインジアンの一人で、経済政策についても広く論じてきた人。福島原発事故以降の原子力政策について論じている。公益事業論の立場から発送電分離は停電や料金高騰をもたらすのでむしろ電気料金算定方式の是正による料金の引き下げをする方が望ましく、また買取価格固定制による電力供給の不安定な太陽発電や風力発電の推進よりもむしろ地熱発電やLNG発電が望ましいとする他の論者には見られない主張を行っている。著者の主張は理にかなっている所が多く、また、わかりやすい文章で書かれているため、非常に好感の持てる本。2014/07/17

coolflat

6
発送電分離をするなという他ではお目にかかれない主張をしている。他にお目にかかれないからと言って全くトリッキーではなく論理的である。あと原発事故を契機に電力の公益事業体制に市場原理が導入されるいわゆるショック・ドクトリンを危惧した主張も展開している。ところで発送電分離をすると発電会社は競争市場に投げ込まれる訳だが、高い利潤率が見込まれない限り投資をしようとしない。従って一定の期間が経つと設備の不足が生じだし、時に停電を生む。つまり長期的に過少投資を生むからいけないという訳である。発送電一体とは逆なのである。2014/05/01

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