内容説明
子どもの頃はもとより、病を得たとき、障害を持ったとき、そして老いたとき、誰もが他の誰かに依存し、ケアを受ける。人は誰かに依存しなければ生きていけない存在なのだ。であるならば、ケアは社会全体で担うべきではないのか。自律、独立、自活の価値が称揚される陰で、結婚した男女によってつくられる家族のなかに隠されてきた依存とケアの現実を緻密に分析し、「性の絆」ではなく「ケアの絆」にもとづく家族、市場、国家の再編を大胆に説く。
目次
第1部 建国神話―自律、依存、社会の債務(建国神話;依存と社会的債務―建国神話を砕く)
第2部 自律の制度化(市民社会派の家族論―結婚の特権化;なぜ、結婚なのか;結婚の未来)
第3部 フェミニズムによる家族批判(フェミニズムと家族―平等を実践し自律を達成する;ジェンダー中立的世界のなかの母親業)
第4部 社会契約における個人と家族の自律(社会契約の見直し;一時的な職場;持続可能な国家)
著者等紹介
ファインマン,マーサ・アルバートソン[ファインマン,マーサアルバートソン][Fineman,Martha Albertson]
フェミニズム法学者。エモリー大学ロー・スクール教授。テンプル大学卒業後、シカゴ大学で法学博士号を取得。コロンビア大学、コーネル大学等をへて現職
穐田信子[アキタノブコ]
フリーランス翻訳者・会議通訳者。1994年、翻訳家ネットワーク・スカイハイに参加
速水葉子[ハヤミヨウコ]
フリーランス翻訳者。1990年より翻訳家ネットワーク・スカイハイを共同主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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