内容説明
知識のもつ規範性を強調し、「理由の空間」などの独創的な概念や議論を駆使して「所与の神話」を批判した米国の哲学者ウィルフリド・セラーズ。彼の主著である「経験論と心の哲学」は、ローティ、マクダウェル、デネットらがしばしば言及することもあって、現代哲学の主要な“源泉”の一つとして近年評価が高まっている。しかしこの論文は同時に、その内容の難解さをもって有名でもあった。本書は、セラーズの議論を平易に解説する「読解のための手引き」(ロバート・ブランダム)とリチャード・ローティによる見通しのきいた序文を加えた編集版である。
目次
経験論と心の哲学(センス・データ理論の多義性;もう一つの言語?;「見える」の論理;見えるを説明する ほか)
読解のための手引き(センス・データ理論の多義性;もう一つの言語?;「見える」の論理;見えるを説明する ほか)
著者等紹介
セラーズ,ウィルフリド[セラーズ,ウィルフリド][Sellars,Wilfrid]
1912‐1989年、元ピッツバーグ大学教授
浜野研三[ハマノケンゾウ]
1951年生。ペンシルヴァニア大学Ph.D.関西学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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代拿邁人☆
1
最初がすごく読みづらいが、特に後半のジョーンズの神話のところ等めちゃくちゃ面白かった。私秘性や内的出来事の扱いなどの話題もある。ブランダムのコメンタリーは注釈というより再構築なので解釈がおかしいところがある(マクダウェルと論争してた)。2024/09/03
ppp
1
これまで読んだなかで一番難しかった哲学書だったと思う。(少なくとも)デカルト以降の認識論の流れと、現代的なセンス・データ論の流れに習熟してないと、セラーズの意図を汲むことや、そもそもセラーズが何を言っているのかすら理解するのが難しい。ただ、古典解釈の論点としては非常に鋭い道具だと思うので、解説を参照しつつ、再度チャレンジしたい。2014/01/14
うぱこ
0
赤い。の本当の意味とは……??2015/02/02
ami
0
おもしろかったです。2020/10/15
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