出版社内容情報
繁栄を極めた経済大国がなぜ衰退の道を歩むのか-人間の一生に似て,国家にも生命力あふれた成長の時代もあれば,老化し衰退する時代もある.この視点から,国際経済学・比較経済史の大家が,経済的リーダーシップを持った大国,持とうとして果たせなかった国々の変遷を考察し,500年に亘る世界経済の歴史を描く.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kiyoshi Utsugi
30
下巻は、 ・イギリスー古典的なケース ・ドイツー遅れてきた国 ・アメリカ ・出番を待つ日本? ・結論 という構成になっています。 日本人である自分としては、日本やアメリカが取り上げられている下巻の方が興味深く読むことが出来ます。 1996年に書かれており、バブルも崩壊し、失われた20年に入った頃なので予想は難しいと思いますが、キンドルバーガーは「皆から認められた世界経済の指導者としてのアメリカの役割を日本が継承することはないであろうと予想する」と書いてます。日本人としては悔しいですが、正解でしたね。2022/09/08
ヨンデル
2
昔読んだ本です、整理のため登録しています。2024/06/21
ゼロ投資大学
1
繁栄を極めた大国がなぜ衰退するのか。人間と同じように国家も勢いに満ちた時代もあれば、枯れて衰退を歩む時代もある。現代を考える際の示唆を与えてくれる一冊。2024/09/19
ワッキー提督
1
書かれた時代故か、中国への言及がほとんど無いことに門外漢としては驚かされる。2016/08/29
日暮里の首領様
1
下巻では英国、ドイツ、米国、日本の例が扱われる。特に興亡の「典型的な例」である英国、そして米国の発展の要因が体系的かつ要を得て述べられており、興味深かった。結論は、貿易→工業→金融という国家の経済発展の各段階において、集権/分権性、生産/消費志向、戦争、発明、革新性の低価、対外拡張…といった様々な要素が、経路依存性をもって興亡の要因として働いてくる…という平凡だが含蓄のあるもの。やや冗長に感じられる浩瀚な書であったが、結論部には納得させられた。2012/12/14