出版社内容情報
熊野比丘尼による地獄極楽の絵解きで知られる熊野観心十界図。極彩色の迷宮のような画面の奥に目を凝らすと、東アジアの死霊救済儀礼の豊穣な世界へと通じる道筋が見えてくる。その原型となった朝鮮の〈甘露図〉へ、さらにその背後にある中国の〈水陸画〉へ、絵画の来た道を遡りながら読み解く、生と死を巡る東アジア精神史。
内容説明
熊野比丘尼による地獄極楽の絵解きで知られる熊野観心十界図。極彩色の迷宮のような画面の奥に目を凝らすと、東アジアの死霊救済儀礼の豊饒な世界へと通じる道筋が見えてくる。その原型となった朝鮮の“甘露図”へ、さらにその背後にある中国の“水陸画”へ、絵画の来た道を遡りながら読み解く、生と死を巡る思索の旅。
目次
第1章 聖痕としての熊野(複製という罠;熊野比丘尼の面影;記録された熊野比丘尼;だれが記憶を語るのか;絵解きは再現されるのか;地域の神話的世界)
第2章 隠された部屋(五趣生死輪図からはじまった;これは観心十界図ではない;これは施餓鬼図である)
第3章 悲の器―朝鮮甘露図の世界(朝鮮甘露図研究のいま;甘露図と〓口餓鬼;甘露図と水陸画;朝鮮社会にて;旧龍岸寺本の発見;甘露のしずく)
第4章 熊野観心十界図へ(中国水陸図から朝鮮甘露図、そして;錯綜するモチーフ;血と黒髪―なぜ血の池地獄に堕ちるのか;施餓鬼の斎壇はよみがえる)
著者等紹介
西山克[ニシヤママサル]
東京都江戸川区生。京都大学大学院博士課程単位取得。歴史図像学、怪異学、日本中世史専攻。神戸商科大学(現・兵庫県立大学)助教授、京都教育大学教授、関西学院大学教授を経て京都教育大学名誉教授。「東アジア恠異学会」前代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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志村真幸
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