クルド人 国なき民族の年代記―老作家と息子が生きた時代

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000226417
  • NDC分類 316.826
  • Cコード C0022

出版社内容情報

「国家を持たない最大の民族」クルド人。自由と独立を求め続けてきたその歴史を、老作家とその息子の語りを通して生き生きと伝える。

内容説明

過激派組織「イスラム国」の攻勢を食い止めたことで、国際的な注目を集めるイラクのクルド自治区。しかし、イラク・トルコ・シリア・イラン各国で苛烈な弾圧を受けてきた「国家を持たない最大の民族」クルド人の歴史はほとんど知られていない。「国民的」老作家フセイン・アーリフと息子の通訳マツダ、マツダの親友でジャーナリストのヤヒヤ・バルザンジの語りを通して、自由と独立を求め続けるクルド人の歴史と今を生き生きと伝える。

目次

第1部 イラクのクルド自治区の今(「イスラム国」の衝撃;「ミニ国家」クルド自治区;「自由」の代償;キルクークを巡る民族対立;独立闘争の鬼っ子「PKK」)
第2部 クルド人とは(民族性とその歴史;大国の思惑と幻の国家)
第3部 サダムの時代(共和国の誕生とバアス党の支配;湾岸戦争とクルドの民衆蜂起;クルド地域政府の樹立と内戦;イラク戦争とサダムの最期)
国家樹立への道

著者等紹介

福島利之[フクシマトシユキ]
茨城県出身。1972年生まれ。1996年早稲田大学卒業後、読売新聞社入社。新潟支局、東京本社社会部などを経て、2003年から2004年までイラク南部のサマワ駐在、2007年から2010年までカイロ特派員。現在、金沢支局デスク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

17
読売新聞社の著者がイラクのクルド自治区の取材で偶然知り合った通訳官と、その父親である「国民的」老作家。交友関係の広いジャーナリスト。この3人の語りを通して、自由と独立を求めるクルド人の歴史と今を伝える作品。取材対象者に恵まれたな、というのが第一の印象。◆大国の思惑に振り回され利用されてきた歴史がある一方で、部族意識の強さと、標準語が無い点も統一した国家樹立を妨げている要因との事。イラクにおけるクルド人の話が中心ではあるが、トルコのクルド労働者党幹部への取材もある。コンパクトながら読み応えあり。2017/07/31

makio37

9
お気に入りさんのレビューから。トルコ・イラク・シリア・イランのそれぞれの国で「少数民族」として生き延びてきた「国なき最大の民族」クルド人の歴史と現状。険しい山に囲まれた集落毎の部族意識が強く、言語も統一されていない。オスマン帝国弱体化を狙う英国によって民族意識を吹き込まれ、ソ連寄りのバアス党に揺さぶりをかけたい米国からは支援された(クルド革命)末に裏切られた。フセイン独裁体制への民衆蜂起、地域政府の樹立、内戦…。単調な解説ではなく、特定の人物への取材が軸になっていて非常に読みやすかった。2017/09/03

salvia

5
クルド人を理解するのに役立つだけでなく、読み物としても面白かった。人に薦めたくなる本。2019/10/26

お抹茶

2
読売新聞の記者がイラクのスレイマニヤなどのクルディスタンで見聞きした内容を記す。イスラム国の樹立でイラク軍は敗走し,国民の生命を守らないイラクからの独立をクルド人は考えた。クルド人の近現代史は国家樹立の淡い期待と裏切りの連続。キルクークではイラク戦争後,クルド人,アラブ人,トルクメン人ごとに棲み分けし,時に暴力的な衝突に至る。PKKとトルコ軍の戦闘で生活を奪われたクルド人はPKKに激しい反発心を抱いた。そこにトルコ政府が乗じ,クルド人同士が殺し合う。1994年の内戦はクルド人に深い禍根を残した。2017/11/15

カキモトのおでん

2
クルドの近況を知りたくて、発売を待ち望んで購入。岩波の単行本だから重厚なものかと身構えていたが、新聞記者の取材こぼれ話+α(質が低いわけではない)であった。肩透かしをくらったが、望んでいたものを得れたので大変満足。事件自体ではなく、それに関わる人たちの話なので当事者の熱を感じることができた。また、複雑な近現代の国内外情勢がコンパクトにまとまっているので、なんとなく流れをつかめた気がする。知人から聞いた「クルド人はイスラム教徒ではない」との伝聞にも根拠がありそうだ。「チャイ・シリーン」を翻訳して欲しいな。2017/07/30

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