出版社内容情報
「妬み」という人間的な暗い情念のドラマとして、グノーシスの神話を読み解く歴史的宗教心理学の試み。宇宙創成から帰還へと循環する、救済モデルにはらまれた特異な政治性を、東方マニ教型との対比によって明らかにする。古代末期の宗教と政治。
内容説明
壮麗な神話体系にひそむ、逆説的な政治性。「宗教と政治」「神話と心理」のダイナミックな関係に、隠された「近代の条件」を探る。グノーシス理解の、決定的に新しい断面。
目次
序章 古代における「妬み」の詩学と哲学
第1章 グノーシス神話と「妬み」
第2章 「妬み」の非神話化と克服
第3章 グノーシスと政治(シリア・エジプト型)
第4章 グノーシスと政治(マニ教型)
むすび 近代論とグノーシス
著者等紹介
大貫隆[オオヌキタカシ]
1945年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋古典学専攻博士課程修了。ミュンヘン大学にてDr.theol.取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
レートー・タト
2
本書ではまず古典古代の諸思潮における「妬み」のタイプが論じられる。そしてそのタイプがグノーシス神話(特にナグ・ハマディ文書所収のもの)においても見られること、そしてそのタイプがどのように表れているかが論じられ、その非神話化=心理分析が行われている。本書の半分がその分析に費やされており、著者本人はこの分析にはゲルト・タイセンの「歴史宗教心理学」の方法を運用しているというが、どちらかというとヴェーバーの理念型分析やユングの元型分析を運用している色合いが強い(著者本人もそれを肯定的に自覚した記述をしている)。2012/05/27
Qyou
0
グノーシス主義の旧約聖書の「ヤハウェ」を「愚かなる造物神デーミーウールゴス」と解釈して、キリスト教・イスラーム教の教父や学者から「それちょっと…」と論駁検証されまくりなところが面白かった。2013/01/09




