内容説明
永遠の愛はどのように可能なのか。次々に襲う、悪や怨念、因果応報の魔の手を逃れ、愛し合う二人はこの世の生をすて、時空をこえて再会する約束をする。近松、黙阿弥など歌舞伎の深い伝統をふまえ、小説家小林恭二が書き下ろす、究極の愛の物語。
目次
戯曲 宇田川心中
NOTE(愛を描く新たな物語;道玄坂界隈;タマシイの叫びとの出会い;初演にあたって;二人で一人;愛の執着への挑戦;「純愛の千年王国」を夢見る、言葉の力―小林恭二『戯曲 宇田川心中』)
後書 新人ですのでよろしく!
著者等紹介
小林恭二[コバヤシキョウジ]
作家。1957年生まれ。近年は演劇、歌舞伎、ミュージカルなどへも関心を拡げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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九鳥
11
小林恭二の初戯曲。愛し合う男女が因果と試練を越えて、ふたたび出会う約束を交わす物語。七五調や古い言葉遣いを多用した耳に心地いい会話の応酬と、終盤にかけてこれでもか!とたたみかける残酷な血の巡り合わせが芝居にしたって少々くどい。けどそれが醍醐味と楽しんで読んだ。観劇の記憶が鮮やかなうちに読んだせいか、芝居の熱が甦って頭がしびれた。小説版より、こっちのが好きかも。2009/11/17
Ksaka
1
宇野亜喜良さんの装幀が非常に美しくて表紙買い。 同劇団紫テントの前公演「ベンガルの虎」(唐十郎)を見たけど歌や踊りの迫力で押し切る感じでちょっと好みじゃなかった。 小説で読んだ方が面白そう。