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今日の宗教の諸相

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  • サイズ B6判/ページ数 133p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000225700
  • NDC分類 161.4
  • Cコード C0010

内容説明

現代の宗教に映し出されている、さまよう孤独な魂のゆくえを追って。国家をはじめとする共同体を離れ、また価値の規範を見失った「新しい個人主義」の時代はどこに向かうのか。一世紀をさかのぼるウィリアム・ジェイムズの宗教経験の探究が、今日もなお先見性を失っていないことを確認しつつ、その「宗教科学」が捉えた精神の現実に見合う、共同性の次元のダイナミックな変容に表現を与えようとする。大衆消費社会とIT革命に後押しされた、個人主義的で表現主義的な宗教現象から、私たちは明日の世界に向けたどのようなメッセージを読み取るべきなのだろうか。

目次

第1章 ジェイムズの『宗教的経験の諸相』
第2章 「二度生まれ」
第3章 今日の宗教
第4章 ジェイムズは正しかったのか

著者等紹介

テイラー,チャールズ[テイラー,チャールズ][Taylor,Charles]
1931年生。カナダの社会哲学・政治哲学・倫理学者。共同体主義(コミュニタリアニズム)の主要な理論家の一人

伊藤邦武[イトウクニタケ]
1949年生。京都大学大学院文学研究科教授

佐々木崇[ササキタカシ]
1974年生。京都大学大学院文学研究科学修退学、京都大学他非常勤講師

三宅岳史[ミヤケタケシ]
1972年生。京都大学大学院文学研究科学修退学、関西大学他非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちあき

1
カナダの哲学者による宗教論。ウィリアム・ジェイムズの『宗教的経験の諸相』を参照しながら、より個人化された宗教のあり方が考察される。ジェイムズの読解がひじょうに新鮮で、読んでみたくなる。漸進的世俗化を歴史のトレンドとする通念を検証したテイラーの『世俗の時代』も翻訳が待ち遠しい。宗教が衰滅することはないという見立ては正しいんだろうし、コミュニタリアンとしてそう考えるのも合点はいく。でも、診断がそこまでだと「宗教的原理主義とどうつきあうか」という処方箋は書けないんじゃないか…漠然とそんなことを思った。2009/06/09

よこづな

0
宗教と社会学の微妙な関係が書いてあるわけではない。2009/12/08

有智 麻耶

0
本書は、ウィリアム・ジェイムズの宗教論を主題として、その今日的な意義を明らかにしようとした小著である。ジェイムズが宗教の本質を個人の感情に置いたことを、テイラーは自身が「ポスト・デュルケーム型」と呼ぶ宗教やスピリチュアリティのあり方に類似していると解釈する。しかし、たとえ宗教的経験が様式のうえで主観化されたとしても、その内容が主観化され尽くすとは限らない。こうして、テイラーはジェイムズが(明示的には)論じなかった、他者と分かち合うからこそ成立する経験に目を向けるのである。2022/08/01

mkn 14th

0
再読2020/03/12

mkn 14th

0
テイラー特有の主張を、ジェイムズに絡めつつ展開している感じがとてもワクワクした。宗教を論ずることは難しい。多種多様な宗教が存在するからである。だから、デュルケームやテイラーが必ずしも正しいとは思わない。しかし、深い洞察と示唆に富んだ一冊であることは間違いない。2019/10/14

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