内容説明
日本を国民国家として創出するためには、共通の「記憶」をもった「国民」の創造が不可欠である。本書が焦点を当てる京都と奈良は、近代天皇制が自らの原郷・聖所(古都)として日本人の集合的記憶に刻みつけようとした特権的な空間であった。この二つの都市が「古都」として表象されていく過程を、江戸期から克明にたどる。
目次
第1部 古都奈良(近代における神話的古代の創造―畝傍山・神武陵・かし原神宮、三位一体の神武「聖蹟」;近代天皇制と古代文化―「国体の精華」としての正倉院・天皇陵)
第2部 古都京都(近世の内裏空間・近代の京都御苑;古都京都イメージの近代)
第3部 陵墓と世界遺産(陵墓の近代―皇霊と皇室財産の形成を論点に;近代の陵墓問題と継体天皇陵;「仁徳天皇陵」を世界遺産に!)
補論 桜とナショナリズム―日清戦争以後のソメイヨシノの植樹
著者等紹介
高木博志[タカギヒロシ]
1959年、大阪府吹田市生まれ。立命館大学大学院日本史学専修修了。北海道大学文学部助教授をへて、現在、京都大学人文科学研究所助教授。日本近代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 髪がぬけてしまった僕