出版社内容情報
人口調査や国民意識の育成,近代的家族や貧窮者への公的扶助,〈至上の法廷〉としての世論や制服警官のパトロール.知識と社会秩序の関係を軸に,フランス革命の前後100年に出現した近代秩序の成立過程を分析する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
2
本書が標的としているのは、社会という領域の生成とその認識の展開である。社会は、一方で統治の対象であり、他方では政治に対する批判の拠点となり得る領域である。こうした社会的領域の生成を理解するために、本書では人口・国民・世論・家族・貧困問題・警察が論じられているが、そのいずれもが当時のフランスの状況、言説と制度を踏まえられて論じられており、歴史的に構成されたものであることがわかる。興味深いのは、フランス革命に先行して王権において、これらの変化の第一陣が生まれていたという点だろう。日本での統治の誕生も気になる。2020/12/16
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