内容説明
日本の医療はいま危機に瀕している。特に地方では、医師不足が深刻化し、患者の病院たらい回しや医療機関の消滅といった深刻な医療サービスの低下が生じている。長年、地方にあって先端医療の普及や医療水準の向上に努めてきた医師の目に、日本のこの五〇年間の変化はどのように映るのか。本書は、治療の現場で出会った出来事や数多くの患者さんたちとの交流を通して日本の医療の姿を描きだす医療エッセイ。疾病に苦しむ患者の苦悩や医療従事者のありよう、日本の医療が直面する困難を浮き彫りにし、今後進むべき方向を問う。
目次
生と死の接点
こころの病
医療と宗教
終末期のかたち
老いと尊厳
医療紛糾
インフォームド・コンセント
虐待
ゲノム
薬は諸刃のやいば
脳死・臓器移植
病院というトポス
著者等紹介
近藤俊文[コンドウトシフミ]
1932年生まれ。京都大学医学部卒業。同大学院内科系修了。医学博士。市立宇和島病院院長を経て、現在、同病院名誉院長。20年務めた院長時代に、同病院を地方医療の拠点病院に育て上げ、腎移植と地方医療の推進に功績があったとして厚生大臣表彰、愛媛新聞社賞を受賞。また日本内科学会指導医を務め、後進の指導に貢献した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- ハイエクの社会・経済哲学