内容説明
冷戦時代、ベルリンの壁を乗り越えようとした者を狙撃した東ドイツ兵士の罪責を、統一後のドイツで問うことは可能か―。『朗読者』の著者にして、法学者のシュリンクが「法による過去の克服」をテーマに法を論じる。ナチスの過去、ドイツ民主共和国の過去の克服を論じつつ、加害者の子孫の世代の責任についてどう考えるべきか、法にできること・できないことはどこまでなのかを見定め、考え抜いて書かれた論考の数々は、日本の状況と照らし合わせて読んでも示唆に富むものとなろう。
目次
法‐責任‐未来
法治国家と革命の正義
期待不可能性を招く過去?
法による過去の克服
国法学は哀悼する能力がないのだろうか?
エピローグ―過去を含む現在
著者等紹介
シュリンク,ベルンハルト[シュリンク,ベルンハルト][Schlink,Bernhard]
『朗読者』の著者にして法学者
岩淵達治[イワブチタツジ]
1927年生まれ。東京大学文学部独文科卒業。学習院大学名誉教授。演出家。ドイツ文学
藤倉孚子[フジクラノブコ]
東北大学文学部独文科卒業。翻訳家
中村昌子[ナカムラマサコ]
慶応義塾大学大学院博士課程修了(独文学専攻)。慶応義塾大学、早稲田大学、学習院大学非常勤講師
岩井智子[イワイトモコ]
早稲田大学大学院修士課程修了(独文学専攻)。千葉大学、国立音楽大学その他非常勤講師
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