ドキュメント沖縄経済処分―密約とドル回収

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000224192
  • NDC分類 337.3
  • Cコード C0031

出版社内容情報

長い沈黙の末に露見した「沖縄回収ドル密約」.その意味とはなんだったのか.合意にいたる丁々発止の交渉およびその実施過程を仔細に描出.同時期,青天の霹靂のごとく襲ったニクソン・ショックは,沖縄の人々の生活にどう影響を与えたのか.国家の思惑と国際通貨体制のはざまで翻弄される復帰時の人々の苦悩を生々しく再現する.

内容説明

長い沈黙を破って発見された「沖縄回収ドル密約」。その意味するところはなんだったのか。「琉球ドル」の導入まで検討された秘密交渉の実態。日本政府が住民から回収したドルの廃棄を迫る米国。突然襲ってきたニクソン・ショック。当事者沖縄抜きに決められた変動相場制度への移行過程。突然の銀行閉鎖に混乱する人々。沖縄無視の姿勢を示す日本の官僚たち。復帰に伴う急激なインフレ…。日米の機密文書や琉球政府主席・屋良朝苗をはじめとする当時の関係者の残した日記やメモ、さらに関係者へのインタビューなどを通じて、回収ドルの密約を検証し、復帰時の沖縄の苦悩を生々しく再現する、第一級のノンフィクション。

目次

第1部 密約交渉(「タナボタを阻止せよ」;回収ドル争奪戦)
第2部 「経済処分」(円切り上げ断行;通貨確認;すれ違う本土と沖縄)

著者等紹介

軽部謙介[カルベケンスケ]
1955年東京都生まれ。1979年早稲田大学卒業後、時事通信社入社。社会部、福岡支社、那覇支局、経済部、ワシントン特派員、経済部次長、ワシントン支局長、ニューヨーク総局長などを経て、現在、編集局次長兼解説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

二人娘の父

10
沖縄復帰50年という時にぜひ触れておきたいテーマだった。復帰(返還)交渉は、これまで政治的な側面、特に基地をどうするのかということに重点をおいた研究がほとんどだったと思う。本書はそのなかでも異色の視点ーー沖縄で通貨流通していたドルをどうするのか、という問題を取り上げる。そこには(ここにもだが)日米間で密約があり、結果として沖縄県民にその負担は押し付けられることになる。交渉の内容が主なので仕方ないが、当時の庶民の生活実態や実感についても、もう少し掘り下げてもらえると、より理解が進んだと思う。2022/02/11

Hiroki Nishizumi

4
通貨の変更がこれほど大変だとは知らなかった。ザール地方の先例や無利子保管など考えたこともない内容で興味深く読めた。2020/08/07

とりもり

2
沖縄返還に伴う通貨切替で回収されたドルが、NY連銀に27年にわたって無利息で預け入れられていた。その密約の背景を、当時の外交文書や当事者たちの記録を元に追った一冊。根底には、アメリカに金を払えば「沖縄を金で買った」と世論から批判されるという事情があったようなので、こうしたやり方も仕方なしだろう。むしろ、敗戦で占領されたものが無償で戻ってくると期待する方が、甘過ぎではないか。この辺りは、北方領土問題にも通じるかも。それにしても、日本の官僚は重要文書を簡単に廃棄し過ぎ。★★★★☆2012/10/14

Y_Kuroyanagi

0
20120719ー201208042012/08/04

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