出版社内容情報
名護市辺野古への新基地建設に抗議して、米軍普天間飛行場の県外・海外移設を求める沖縄県民の声は高まる。米軍基地をどうするか。経済自立、環境保全、沖縄の経済と社会をいかに改革していくかを検証した画期的な論集。
内容説明
本土の圧倒的無関心の下にグアム移転協定は調印されたが、鳩山新政権誕生後に普天間基地移設問題が焦点となっている。名護市辺野古への新基地建設について、急速に反対が強まりつつある。どうすれば沖縄は米軍基地の島から脱却することができるのか。経済の自立と環境保全に向けて、いま緊急の課題とは何か。本書はこの十年間の政治・経済・社会状況を踏まえ、沖縄県内と本土の研究者が共同して沖縄の現状を解明。将来像についても具体的な提言を行った。
目次
第1部 米軍基地撤去と自立経済は可能か(「沖縄政策」の評価と展望;米軍再編と沖縄;基地維持財政政策の変貌と帰結)
第2部 鍵としての環境問題(環境問題から看た沖縄;米軍基地跡地利用の阻害要因;米軍基地の跡地利用開発の検証;米国における軍事基地と環境法)
第3部 産業と自治の展望(沖縄の産業政策の検証;地方自治体と安全保障政策;沖縄の自治の未来)
著者等紹介
宮本憲一[ミヤモトケンイチ]
1930年生まれ。大阪市立大学名誉教授。滋賀大学名誉教授。財政学
川瀬光義[カワセミツヨシ]
1955年生まれ。京都府立大学教授。地方財政学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かじやん0514
1
それぞれの論文は短いので案外すぐ読めた。ただ、平和・環境・自治を実現する運動についての言及がやや少なく感じられたのと、運動における本土との連帯についても検討が必要だろう。2010/08/14
あきら
0
つい最近出た本かと思いきや、いえ、実は2010年、今から8年前に出版された、沖縄の過去から現状と問題点などがデータや住民の声などから浮き彫りに、赤裸々に書かれている。学識者たちなので感情的になることなくひたすら公平に書かれているのに、どこまでいっても沖縄の置かれている現状があまりにも不公平であるとわかる。不公平という言い方は陳腐なのだがそれがぴったりな言い方だと思うので、もっとこの本が読まれるといい。そうすれば沖縄の問題がちっとも進んでいなく、あまりにも非道だとわかるはずだから。2018/11/22