音楽とはなにか―理論と現場の間から

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  • サイズ A5判/ページ数 342,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000223959
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C0073

内容説明

「旋律の引用論」の提起から、東洋音楽が持つ「見えない音楽理論」の発見へ。やがてアジアの民族音楽の保存と継承に関わる中から、民族音楽活性化の理論として「フィールドバック」の概念を提起する―音楽の生まれる現場に注目してきた著者が常に考えてきたのは、人間にとって音楽とはなにか、という問いである。理論と現場の間で思考を展開してきたユニークな音楽学者の、生涯をかけた渾身の労作。

目次

最終講義―音の動きの分析から、社会的脈絡における音楽の研究へ
第1部 音楽とはなにか―音の分析から音楽記号学へ(情報理論からみた音楽;三味線音楽における引用;モーツァルトと間テクスト性;音楽記号学とアジア・日本音楽)
第2部 見えない音楽理論―日本音楽にひそむ構造(日本伝統の音とは(平野健次氏と共著)
見えない理論―音楽の理論・楽器・身体(蒲生郷昭氏と共著)
表象としての日本音楽)
第3部 フィールドから考える―民族音楽学へ(民族音楽学再構築と自分の歴史;比較音楽学から民族音楽学へ;ミャンマー ヤンゴンとマンダレーの古典音楽―器の音、そして声(山口修氏と共著)
開発と音楽文化のゆくえ
生きた伝統としての音楽活動の支援
音楽・テクスト・コンテクスト)

著者等紹介

徳丸吉彦[トクマルヨシヒコ]
1936年東京生まれ。東京大学文学部・同大学院修士課程にて音楽学・美学を学ぶ。1982年にカナダのラヴァール大学より、『三味線音楽の旋律的様相』で博士号を取得。国立音楽大学、お茶の水女子大学(途中でモントリオール大学客員教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員教授)、放送大学での勤務を経て、聖徳大学教授、放送大学客員教授、お茶の水女子大学名誉教授。音楽学(とくに音楽記号学と民族音楽学)と芸術文化政策を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nagao.shiraz

2
音楽とはなにかというか、音楽学とはなにかというか。音響テキストとコンテキストという切り口から、音楽と人・社会の関係を浮き彫りにする方向は説得力のあるものだった。音楽における多様性がかつてなく花開いている現代において、特に有効な考え方ではないだろうか。それと、無形文化財としての各地の音楽の伝統を継続しようという熱意には心を打たれるものがあった。音楽と身体性はもう少し深く考察してみたい。2021/11/23

BsBs

1
生涯に渡って音楽を研究してきた著者が、自身の研究遍歴をなぞる形で発表刊行物を複数集めた本。情報理論、音楽記号学に始まり、日本音楽の研究からアジアの音楽の研究に至るまでの道筋が見て取れる。 個々の研究は難しい詳細にまで踏み込んでおらずそこまで難解ではないのだが、いかんせん扱うテーマが難しく、読むにはそれなりの音楽的素養を必要とする。読めればものすごく面白い本で、博士論文の紹介も多いため、民族音楽学の基礎文献として極めて優れた価値を持つと感じた。2023/08/26

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