出版社内容情報
杉村春子は夫や愛人の死に際にも舞台に立って演じ続けた.21歳で新劇に出会う.生涯抜けなかった広島弁,演技への凄まじい執念,貪欲に奪い取る愛,劇団経営の嵐.代表作「女の一生」.1997年死去.享年91歳.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
T. Tokunaga
4
ちょうちん本というか、要するに新藤兼人が杉村春子を讃賞している本なのだが、彼女が、小山内薫や丸山定夫の指導者陣から演技をちゃんと教えてもらえなかったという重要な記述がある。情動が激しく、すぐ泣きすぐ笑い、片意地で、しかも男性との性生活で「女とは何か、演技とは何か」を学んだ、と新藤氏は褒め称えんばかりだが、しかもその男(劇作家たる森本薫と、他に無名の医師や学者)はみんな年下で、世間知らずで、肺病などまである。これはいわゆるプレデターだよ。しかも自己流だから、演技や演出の指導力もなかったのだろう。2025/08/21
chuji
1
久喜市立中央図書館の本。2002年1月初版。書き下ろし?『私は一時としても愛人がいなくては生きてゆけないような女です。私は惚れて惚れられて、それが人生のように思えます。・・・女でありながら、女でないような女優にはなりたくありません。愛して愛されることが女優としての、その第一の資格ではないでしょうか』P.171。「杉村春子」の女の一生でした。2023/02/11
Gen Kato
0
再読。『午後の遺言状』が素晴らしかったので。杉村春子と乙羽信子にとっての、映画としての遺作となった作品を撮った、新藤兼人監督ならではの視点で語られる「女優・杉村春子」。正直、『女優・田中絹代』に較べて食い足りなくはありますが、それでも読み応えのある一冊。2014/07/07
みつひめ
0
図書館本2020/04/11
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