出版社内容情報
日本に持ち帰った家族や友人からの手紙，欧州で行動を共にした石黒忠悳が陸軍省に宛てた報告書簡，親族に当たる西周の日記－大半が未公刊の資料を30年にわたって整理・解読し，謎の多い鴎外留学の真相を詳細に解き明かす．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ted
5
'99年7月刊。○鴎外のドイツ留学の出発から帰国して結婚するまでの紆余曲折の顛末を描く。漱石に比べて充実した留学生活を送っていたイメージの強い鴎外だが決して順風満帆というわけではなかったようだ。自分が学びたい分野と国が勉強して来いという分野が一致していなかった点も漱石と似ている。兵食論の責任や『舞姫』のエリスのモデルとなった女を弄んだ末に捨てた事についての記述から思うに鴎外に対して少し甘い。なお、妹・喜美子の結婚に至るまでには方々から引く手数多だったと書いてあるが、写真を見るとお世辞にも美人とはいえない。2013/11/02
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