出版社内容情報
「あなたに『本当のこと』をひとつかみ差し上げましょう」川のそばにあるお菓子屋〈おやつ〉。ある日店を訪れた青年は、チョコレートと引き換えに不思議な「種」を置いていく。それをきっかけに、店主のエリカはかつて出合った一冊の本を思い出して……表題作ほか4篇+エッセイ。忘れられない本をめぐるささやかな冒険。
【目次】
物語の舞台袖
1 アリスのいないお茶会
『不思議の国のアリス』*ルイス・キャロル
舞台袖からの報告・1
2 ガリヴァーの囁き
『ガリヴァー旅行記』*ジョナサン・スウィフト
舞台袖からの報告・2
3 王子さまのいない星
『星の王子さま』*サン=テグジュペリ
舞台袖からの報告
4 灰色の男の葉巻のけむり
『モモ』*ミヒャエル・エンデ
舞台袖からの報告・4
エデンの裏庭
あとがき
内容説明
本はいつも動かない。変わらない。書き換えられることも更新されることもない。たとえ、町の風景が変わって、人々が次々と年老いても、いつでも本だけは変わることなく存在しつづける。読者を待っていてくれる―。愛すべき本をめぐる物語集。
目次
物語の舞台袖
1 アリスのいないお茶会(『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロル;舞台袖からの報告1)
2 ガリヴァーの囁き(『ガリヴァー旅行記』 ジョナサン・スウィフ;舞台袖からの報告2)
3 王子さまのいない星(『星の王子さま』 サン=テグジュペリ;舞台袖からの報告3)
4 灰色の男の葉巻のけむり(『モモ』 ミヒャエル・エンデ;舞台袖からの報告4)
エデンの裏庭
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
101
吉田篤弘さんらしいファンタジーな世界と沁みる言葉、散りばめられた伏線の数々にグッとくる一冊でした。「エデンの裏庭」も読み終わりたくなくてゆっくりゆっくり味わいながら。極上の読書時間でした。本のサイズへのこだわりとか、装幀も凝っていてそういう視点でも素敵な一冊です。 2026/03/03
KAZOO
96
岩波書店からの初の吉田篤弘さんの作品が出版されました。私は岩波の月刊「図書」を読んでいたことでそこに吉田さんが連載されていたのを読んでいたのでたぶん出版されるのかと思っていました。前半が連載されていたもので「不思議の国のアリス」「ガリヴァー旅行記」「星の王子さま」「モモ」を題材として時間を主題とした物語と書評を書かれています。後半はこの表題となっている小説で楽しめました。ハードカバーの本で大切にしたくなるような装幀です。2026/01/30
あんこ
29
手に取った瞬間、妙に馴染むなと思ったら表紙カバーがない。サイズも愛らしく、宝箱のような一冊。吉田篤弘作品を楽しむ上で、物語はもちろんのこと、毎度この装幀へのワクワク感は欠かせない。手にした瞬間から、「私は今大切な本を大切に読むところ」という高揚感がある。 こちらの作品は、有名な作品のたらればのようなことと、吉田さんが「舞台袖」として書いたエッセイで構成されている上に、タイトルにもなっている幻の未完の作品が載っている何とも贅沢な一冊。読んでいる間、薄暗い図書館で日が暮れるまで読書していた頃の気持ちになった。2026/02/15
おだまん
17
吉田篤弘さんの忘れられない本4冊と不思議なお話。こういう出会いかたってよいなぁ。〇月の本、読むかな。物理的な時間と体感の時間。モモでも感じた物語の時間が他の作品にもあって、興味深かったです。吉田さん自身の独特の作品世界のヒントがあった気がする。2026/02/24
土筆
11
アリス、ガリヴァー、星の王子様、モモ。これらの有名な物語の舞台袖の短編。場面が始まる前、終わった後など。そしてそれにまつわる話、子供の時の思い出、作家になって再読しての考察など。こちらは楽屋のこぼれ話のような。そして『エデンの裏庭』というおやつ屋さん店長の冒険譚。続きもと言われると登場人物たちのその後が想像できて楽しみになる。吉田さんといえば本の造りも毎回楽しみで、岩波少年文庫に寄せた装丁もまた良い。 ※p59.7 いつくかのメッセージ2026/03/25




