出版社内容情報
滑稽な化物に着目し、草双紙研究を重ねてきた著者の論考を集成。「創作された化物像」の特徴を鮮明にする。
内容説明
江戸の大衆文学というべき草双紙には、滑稽で愛嬌のある化物がしばしば登場する。著者はこの化物に着目、近世文学の立場から緻密な文献調査を重ね、当時の風俗・流行・芸能等との関係も視野に、草双紙を捉え直してきた。草双紙のなかの化物は、いかにして形成され、時代とともに展開していったのか。また、当時の出版事情とどのような関わりを持ったのか。本書には、積年の論考に書き下ろしを加えて集成し、江戸都市文化の産物としての「創作された化物像」の面白さを鮮明にする。著者にとって初の論文集。
目次
第1章 「創作」として妖怪―馬琴作『化競丑満鐘』の笑い
第2章 初期草双紙の化物尽くしの形成と発展
第3章 黄表紙の化物尽くしの変容
第4章 化物尽くしの黄表紙と合成本をめぐって
第5章 鬼娘の系譜―化物と見世物
第6章 所帯道具の化物の系譜―化物と擬人化
著者等紹介
カバット,アダム[カバット,アダム] [Kabat,Adam]
1954年アメリカ合衆国ニューヨーク市生まれ。1979年来日。東京大学大学院比較文学比較文化専攻課程修了。武蔵大学教授。日本近世文学を専攻。独自の視点で江戸の妖怪・化物を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件