内容説明
映画作家の夢と格闘のすべて。『人間の條件』『切腹』『怪談』『化石』『東京裁判』を生み出した映画作家の全貌がよみがえる。
目次
1 人間を見つめて(生い立ち;上京、早稲田大学へ―師・會津八一 ほか)
2 監督の條件(木下惠介、小林正樹を語る(木下惠介)
日本映画の中の小林正樹(篠田正浩) ほか)
3 創作の地層(小林正樹というカオス(吉田剛)
「終」マークなき『東京裁判』への道程(小笠原清) ほか)
4 作品を読む(小林正樹監督と郷里小樽の人々(玉川薫)
小林正樹の作品世界と會津八一(大橋一章) ほか)
5 入魂の軌跡と未遂の夢(フィルモグラフィ;小林正樹関連書簡選―付 戦友回想記事 ほか)
著者等紹介
小笠原清[オガサワラキヨシ]
映画作家。1936年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、文芸プロダクションにんじんくらぶに入社。小林正樹、篠田正浩、大島渚監督らの助監督を務め、小林作品は『怪談』『化石』『東京裁判』(脚本共同執筆)の三作。フリーとしてテレビ、映画のノンフィクション作品を監督。「小林正樹遺託業務世話人会・芸游解」理事
梶山弘子[カジヤマコウコ]
スクリプター。1936年生まれ。京都女子大学文学部国文学科卒業後、宝塚映画に入社。68年東宝へ移籍、81年よりフリー。芸游会を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tkm66
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必要あって再読。2023/08/01
tkm66
0
昭和の大監督の遅きに失した初本格評伝。やはり〈大巨匠〉とは超極悪人、と改めて納得。ただカメラ宮島義勇の極悪とは質が違うのは当時若手達の証言に明らか。滔々たる関係執筆者群に何故か想田某の名が。〈周りのメンツ見たら御辞退するだろフツー!〉なくらい違和感あり。2017/02/26
sansdieu
0
すばらしい。読むのに一週間ぐらいかかったかもしれない。二段組、三段組の文章も多く混じっていて圧倒的な分量である。写真も多数。小林自身に対するインタヴューのほか、出演者、スタッフの主要な人物の証言、小林の映画に関する評論、詳細な作品紹介、書簡集、そして映画製作が実現しなかった『敦煌』の脚本までを掲載した包括的かつ体系的な本である。値段に見合う価値は十分にあるので、ファンにとっては必携の書だ。小林正樹の映画に心が引かれた人は安心して買って読んでほしい。わたしもこれから何度も読み返すだろう。2025/08/17