出版社内容情報
世界的な人類学者・川田順造氏は、東京の下町・深川の生まれで、長年地域の研究を続けてきた。本書ではその蓄積をもとに土地の古老、商家の婦人への聞き書き、水運・陸運や町人文化の考察など、自分史と、世界性を持った人類学的視点が交錯する、画期的な東京=下町文化論が展開されている。都市の歴史と未来を考えるための必読の書。
内容説明
人類学を専門とする著者は、東京の下町・深川の生まれ。幼少時からの体験、地域に生きる人々への聞き書き、衣食住の伝承から町人文化への考察、パリとの比較など、長年にわたり熱意を持って調査・研究を続けた結果、個人史と普遍的な人類学的視点が交錯する、画期的な東京=下町文化論が誕生した。東京の歴史と未来を考えるための必読の書。
目次
あたしの「川向う」―集合的記憶の場としての「地域」
第1部 江戸=東京が記憶するもの(立ちのぼる声たち;運ぶ川、結ぶ橋 ほか)
第2部 江戸=東京下町はどのように描かれたか(川と橋のある街;『助六』をめぐって ほか)
第3部 川に生きる―連続と断絶(川に生きる―パリとの対比で;海辺の都市、江戸=東京 ほか)
第4部 江戸=東京の生きられた自然(自然とのつきあい方―江戸=東京人の場合;江戸=東京人の季節感と「行動文化」 ほか)
第5部 災害のなかの江戸=東京下町(荒ぶる自然に、心を託す;「荒ぶる自然」と「みやびな自然」再考 ほか)
「地域」から「国家」を眺める
著者等紹介
川田順造[カワダジュンゾウ]
1934年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科(文化人類学分科)卒業、パリ第5大学民族学博士。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、広島市立大学国際学部教授、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授などを経て、神奈川大学特別招聘教授、同大学日本常民文化研究所客員研究員。主な著書に、『曠野から―アフリカで考える』(筑摩書房、日本エッセイスト・クラブ賞)、『無文字社会の歴史』(岩波書店、澁澤賞)、『聲』(筑摩書房、歴程賞)、『口頭伝承論』(河出書房新社、毎日出版文化賞)、など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
yagian