霊魂離脱(エクスタシス)とグノーシス

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  • サイズ B6判/ページ数 391,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000222792
  • NDC分類 161.04
  • Cコード C0014

内容説明

天上の世界から地上に降り、また肉の存在を脱して天空に帰還する霊魂、あるいは宇宙の階層を往来する有翼の霊魂…これらの象徴とイメージは、いつ頃、どのような宇宙論・人間論・経済論を背景として形成されたのであろうか。古代末期から中世へ、霊魂の「離脱と帰昇」物語の原型を求めて諸文書の海を渡る。ギリシア起源の密儀宗教、ユダヤ神秘主義、中期・後期プラトン主義、ストア哲学、そしてグノーシス―諸思潮がもつれ合い、さながら豊饒な混成体のように、生気に満ちて運動するさまを記述する。独自の形態動学の方法によって浮かび上がる世界像形成のドラマ。それは天空の秩序から下意識の暗部におよぶ、存在そのものへの探検にほかならない。グノーシスの二元論的人間観・救済観は、神話的想像力の果たされなかった可能性を、一つの総合者として最も雄弁に後代に伝えているのではなかったか。大いなる転換期の壮麗な風景を描き出す、エクスタシスの現象学。

目次

第1章 巫医
第2章 宇宙の神霊化とグノーシス二元論
第3章 天上の戦いとグノーシス
第4章 古代末期の密儀宗教における霊魂帰昇
第5章 魔術飛行
第6章 プルタルコスにおける参篭とカタレプシー
第7章 天球の秩序と無秩序
第8章 難橋
第9章 玉座の神秘学からミウラージュ伝説へ

著者等紹介

クリアーノ,ヨアン・P.[クリアーノ,ヨアンP.][Couliano,Ioan P.]
1950年、ルーマニア生まれの宗教学・宗教史学者、ブカレスト大学卒業後、イタリアに亡命。比較宗教史学者ウーゴ・ビアンキのもとで、グノーシス、ルネサンス研究の研鑽を積む。75年より、ミルチャ・エリアーデに師事。83年にはシカゴ大学にて宗教学担当の教授に就任。師を継いでシカゴ・宗教史学派の指導的な役割を担う。アンリ・コルバンらのフランス東方学、カルロ・ギンズブルグの魔術論などを継承する。1991年、シカゴ大学構内において凶弾にたおれるまで、41年の生涯において15冊の著書を残す

桂芳樹[カツラヨシキ]
1932年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。名古屋大学・筑波大学でルネサンス・ヨーロッパ思想史を担当。西洋古典学会・地中海学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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