出版社内容情報
「年年歳歳 花相い似たり,歳歳年年 人同じからず」と唐詩に詠われるように,自然は再生をくりかえすが,人は成長し,また老いていく.旬の食べ物,両親との思い出,ベランダの樹々,京都やこれまでに暮らした土地に息づく伝統行事などを話題にしながら,漢詩や中国古典文学の場面を重ね合わせる随筆集.
内容説明
「年年歳歳 花相い似たり、歳歳年年 人同じからず」と唐詩に歌われるように、自然は再生をくりかえすが、人は成長し、また老いていく。心躍る旬の食べ物に、懐かしい両親との思い出、ベランダの花木との対話。ゆるやかな日常と、漢詩や中国古典文学の印象的な場面が交差する、ぬくもりあるエッセイ集。
目次
第1部 四季おりおり―詩のある日々(清明節 幽明境を越えて交感;再生の春のために;降誕会とやすらい祭;「生の達人」蘇東坡をめぐって;端午の節句の伝説と記憶 ほか)
第2部 今のこと、昔のこと―身辺の記(酒は量無し;地図の話;後生畏る可し;時計をめぐって;気分転換 ほか)
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
1944年富山県に生まれる。1966年京都大学文学部卒業。1972年同大学院博士課程修了。金沢大学教授を経て、2009年3月まで国際日本文化研究センター教授。現在、同センター名誉教授。専門は中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
94
中国文学者井波律子先生の四季折々の心暖まるエッセイ。先生は金沢大の教授から京都に移られ国際日本文化研究センター教授を務め2009年退官されたが、一か月もたたぬうちに、ずっと同居されてた95歳の母を亡くした。時間も出来、これからお世話をと思っていた矢先のことで呆然とし何も手がつかなかったそうである。その喪失感を癒してくれたのは鉢植えの花木を育てることであったそう。花木の告げる季節の移り変わりに李白や杜甫そして白楽天らの中国古典詩や『燕京歳時記』などの歳時記、随筆に著される情景を重ねる。2023/02/20
まーくん
82
(再読)昨日は冬至でした。冬至といえば、先年亡くなられた中国文学者井波先生の中国古典に四季を味わう本書を手に取らなければなりません。タイトル『一陽来復』は、もともとは陰暦十一月、ことに一年中で夜がいちばん長い冬至の日を指し、陰がきわまって陽がもどってくることをいう。これから広く、冬が去って春が来ること、さらには暗い時期が過ぎ、明るい時期がやってくることを指すようになったという。南瓜(カボチャ)も食べたし柚子湯にも入った。後は一日一日、陽が長くなるのを楽しみに厳しい冬が過ぎ去り、春の訪れを待ちたいものです。2023/12/23
1.3manen
25
著者の母上が他界され、 花木の生命力を実感し、 癒される時間が紡ぎ出した ものであるようだ(ⅵ頁)。 暗い時期を経て、明るさが 見出されるという一陽来復。 そんな社会や人生でありたいもの。 中国の墓参は清明節。 墓参のあと、ドンチャン騒ぎをする という(5頁)。 北宋の生の達人、蘇東坡(蘇軾)。 美しい花に心躍らせ、 おいしい旬の食物を求めながら、 心ゆたかな日々を過ごしたい(16頁)。 2014/05/14
おせきはん
21
花や食、京都の暮らしに漢詩を織り交ぜて四季の移ろいを綴っています。日常生活を題材としながらも、味わい深く、心が豊かになる1冊でした。2023/11/13
鯖
18
漢詩で知る季節の移り変わり。去去勿回顧 還君老与衰(旧年よ、行くがいい。ふりかえらないで、おまえに私の老いと衰えを返すから」…アグレッシブでこれくらいの心持で年食っていきたいなと思った。後、下僕にみかんの皮ひっきりなしにむかせて、下僕があかぎれまみれになっちゃった話かわいそうだった。みかん食いすぎると黄色くなるぞ。2022/03/20




