出版社内容情報
「原子炉の燃料棒に結晶していた価値観と国家構造とは、国民に死の灰を浴びせ、レッドカードで退場になった」。3・11後の東北に、基地の沖縄に、東ティモールに、……現場を走り続けた戦中派の神父による戦後日本の記録。小さな出会いから生きる力を拾い集め、鎮魂と再生のための石碑を建てる。いま、希望を紡ぎ出すために。
内容説明
「原子炉の燃料棒に結晶していた価値観と国家構造とは、国民に死の灰を浴びせ、レッドカードで退場になった」。社会を変える力は、いまを生きる人々の発信するものと地道な営みをとおしたつながり、そしてそれをバネとして湧きあがる行動からくみ上げるしかない。糧と重荷をわかち合おうとして、差し出された手と目差し―社会の片隅に共に生きる、一瞬の命の輝きを収拾する。3・11後の東北に、基地の沖縄に、東ティモールに、シャッター通りに…現場を走り続けた、焼け跡派の神父による再び原発廃墟を現出させてしまった戦後日本の記録。
目次
ご飯、食べたかい
1 新しい人(心の内部被曝;石が叫ぶ;数知れない天)
2 わかち合う(目覚め;一期一会;共に;深い淵より;変わる)
草のように
著者等紹介
林尚志[ハヤシヒサシ]
1934年、東京生まれ。太平洋戦争開戦時、7歳。新潟への疎開経験をもつ神父は、自らを「疎開派・焼け跡育ちで、国民学校を1年から6年までフルコースやった日本人唯一の世代」と称する。神奈川県立湘南高校を卒業後、上智大学に進学。1955年、カトリック修道会イエズス会に入会する。69年に、司祭叙階。70年、山口県の細江教会(下関市)に赴任した後、宇部教会、彦島教会(下関市)を経て、88年より下関労働教育センターを拠点として活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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