内容説明
「しゃべくり漫才の神様」と賞される夢路いとし・喜味こいし。二人の歩んだ道は、まさに上方芸能史そのものである。本書では、八十年の芸歴の中で見聞きしたこと・想い出を、絶妙な「しゃべくり芸」そのままの語り口で綴る。生後まもなく子役として舞台デビュー、少年時代に才能を見出され兄弟で漫才に転向、戦争・被爆体験、恩師・秋田實との出会い、戦後のテレビ・映画での活躍、そして兄・いとしのこと―漫才一筋の人生に秘められた笑いと涙を、共演した芸人・役者の素顔など、楽屋でのこぼれ話も交えながら、温かくユーモラスに語る。
目次
1(生まれながらの子役でんねん;漫才への転身 ほか)
2(戦争の記憶;広島で被爆 ほか)
3(恩師・秋田實との出会い;いとし・こいしに改名 ほか)
4(舞台に出演―宝塚新芸座時代;舞台・映画で共演した役者さん ほか)
5(弟子をとらなかった理由;上方芸人の思い出 ほか)
著者等紹介
喜味こいし[キミコイシ]
1927年生。漫才師・タレント。兄・夢路いとしとコンビを組み、長年にわたり活躍、漫才の最高峰と評価される。1993年芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、2003年菊池寛賞など受賞多数。1999年大阪市指定無形文化財に認定
戸田学[トダマナブ]
1963年生。作家。2004年上方お笑い大賞秋田實賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
4
ふむ2024/01/26
tsukamg
2
いとしこいしの歴史をこいし師匠が語り、それを聞き書きの形で本にしたもの。古い芸人の名前がたくさん出てくる。こいし師匠によるダイマル・ラケット評は、いとこい漫才との違いがわかって面白い。2023/01/02
fukui42
2
一番好きな漫才師と聞かれたら、私はいとし・こいしさんを挙げます。子供の頃から大好きで、でもその芸歴は知らなかった。「2.26事件」がなかったら、いとし・こいしは生まれなかったなんて!。ってかそんな昔から活動してたって、それは年期が入ってるよね。旅芸人子役からスタート、舞台の役者・映画にも出て。そんな下地があったからの芸風だったんだ。へーー。お兄さんのいとしさんが亡くなってから、漫才はしなかった理由、改めて2人で「いとし・こいし」さんだったんだなと。代表作「交番巡査」は必須。こいしさんの声が聞こえるような。2021/06/07
pocco@灯れ松明の火
2
こいし師匠をしのんで。2011/02/13
鷹ぼん
0
★★★ こいしセンセの思い出語り聴き書き。内容的には『いとしこいし 漫才の世界』と重なるところもあって、斬新さにやや欠けるも、貴重な上方演芸界の資料。それにしても、戸田学は米朝師匠といとこい先生関連本で儲けてるな(そんな儲からないかもしらんが)。 まあ、こういう人がきちんと書物にして残していくことは、とても大事なことなので、これからもせいぜいがんばっとくれやす!2010/01/31