内容説明
近代的で上品な話芸で、漫才の最高峰と評価される夢路いとし・喜味こいし。その演目には、『交通巡査』『もしもし鈴木さん』『ジンギスカン料理』など、いつまでも色あせないものが数多くある。本書には、その中から選び抜いた一四編の速記を、喜味こいしの解説とともに収める。練り上げられた円熟のしゃべくり芸は、読み物としても面白く、まさに漫才の古典ともいうべき名作揃いである。織田正吉、高垣伸博、戸田学による「いとこい論」と、ゆかりの深い文化人から寄せられたエッセイもあわせて収録し、いとし・こいしの芸の真髄、人柄の魅力を、さまざまな角度から解き明かす。
目次
1 夢路いとし・喜味こいしの時代―しゃべくり漫才の歴史とともに
2 エッセイ いとし・こいし、その魅力
3 私のマンザイ放浪記
4 いとし・こいし名作選
5 いと・こいを科学する
6 いとし・こいしの漫才―作者の立場から
著者等紹介
喜味こいし[キミコイシ]
1927年生。漫才師。兄・夢路いとしとコンビを組み、長年にわたり活躍、漫才の最高峰と評価される。1993年芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、2003年菊池寛賞など受賞多数。1999年大阪市指定無形文化財に認定
戸田学[トダマナブ]
1963年生。演芸研究家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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壱萬参仟縁
23
10年前の本。こいし氏は2011年1月23日にご逝去されている(Wikipedia)。西川きよし氏によると、やすし・きよしのコンビは1966(昭和41)年(68頁)。呼吸( いき)と間(ま)は、教わったものでない、独自の〝いとこい流〟という。森光子氏によると、品格のある芸という(73頁~)。お笑い芸人が増えて、誰が誰だかわからないが、品のある笑というのはありそうだ。下品なのはいただけない。名作選で、夢路いとし作「恋愛勧進帳」(117頁~)。 2014/11/12
koke
5
エンタツ・アチャコにしゃべくりの側面と動きの側面があって、しゃべくり漫才がいとしこいしへ、動きがダイマル・ラケットへという系譜があるそう。当時は知らないけれど、知ると昨今の漫才にも通じていると思うところが多々あって面白かった。2021/12/13
takao
4
ふむ2024/01/26
てらさか
3
漫才が収録されていて、読んでも面白い。でもぜひ二人のしゃべくり版も見て見たい。我が家の湾岸戦争好きでした。2021/04/03
AMOROS
3
収録されているエッセーから、いとしこいしの上品な人柄が滲み出てくる。活字読んでると、あのやさしい語り口の漫才が聞こえてくるような気分に。2011/09/24
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