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内容説明
『長くつ下のピッピ』を生んだ児童文学作家リンドグレーンが、たったひとり文通を続けた相手は、問題を抱えた思春期の少女サラでした。心の内面を打ち明ける少女に、作家は愛情と信頼を寄せ、共感やユーモアに満ちた言葉で、はげまし続けたのです。いま、時を経て、ふたりの八〇通以上の手紙が、一冊の本になりました。子どもから大人まで、すべてのひとに贈る、ある友情の記録。
著者等紹介
リンドグレーン,アストリッド[リンドグレーン,アストリッド] [Lindgren,Astrid]
1907‐2002。スウェーデンのスモーランド地方生まれ。『長くつ下のピッピ』(1945年)で子どもたちの圧倒的な人気を得る。1958年に国際アンデルセン賞を受賞。作家活動をしながら、長らく児童書の編集者としても活躍した
シュワルト,サラ[シュワルト,サラ] [Schwardt,Sara]
1958‐。スウェーデンのスモーランド地方生まれ。12歳から、アストリッド・リンドグレーンと文通。成人してからも文章教室などで研鑽を積み、個人で、あるいは労働組合機関誌などでフリーランス・ジャーナリストとして活躍。小説および詩集を出版している
石井登志子[イシイトシコ]
同志社大学卒業。リンドグレーン作品の翻訳を数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
59
リンドグレーンと14歳の少女の文通を記録したもの。思春期の少女サラは心に問題を抱え、感情の起伏が激しい。彼女の暴走気味の手紙は、読んでいるこちらのほうが疲れてしまいそうです。しかしリンドグレーンはそんなサラを心から愛し、慰め、励まし続けました。ラストに大人になったサラの手紙も紹介されるけれど、私はやっぱりサラに好感が持てなかったな…。その一方で、手紙から伝わるリンドグレーンの人柄が素晴らしく、ますます彼女のことが好きになりました。2019/08/08
星落秋風五丈原
26
年の差51歳の作家と少女の往復書簡が、作家の死後出版。例え子供といえどフラットに接しようとするリンドグレーンの姿勢がよく感じられる。暴言を書いたりエキセントリックな所のあるサラに、リンドグレーンはピッピの片鱗を見たのだろうか。2015/04/30
ぱせり
23
サラの手紙を読んでいると、その奔放な自由さに目が眩む。その感性がとらえた言葉たちに魅せられる。まるで一つの完成した(野性味あふれた)文学のようで、リンドグレーンの友情のこもった手紙たちの光を凌いでさえいる。リンドグレーンの手紙は、サラを助けたが、リンドグレーンもサラに助けられていた。二つの豊かで寂しい心が深い部分で、理解し呼び合っているようだ。2015/05/30
あまね
20
リンドグレーンが12歳のサラと10年以上にわたる個人的な文通を編集した本著。激しい思春期を過ごすサラに寄り添い、支えるリンドグレーンの手紙は愛に溢れています。それは、サラへの手紙であるのに、読者に宛てて書いたもののように心温まるものでした。サラも、この個人的な手紙の公開をよく承諾したものです。リンドグレーンの著書を読み返したくなりました。2019/12/15
シュシュ
19
63歳のリンドグレーンと12歳の少女サラの往復書簡集。サラが大人になり母親になるまで文通が続いていた。とても繊細で傷つきやすく、生きているのが苦しかった少女時代のサラに、リンドグレーンがそっと寄り添いながら、温かく助言したり励ましたりしている。でも、何より、リンドグレーンが返事をくれて、毎回「また手紙を書いてね」と書いてくれることがどれだけサラを支えたことだろうかと思う。2012年、書簡集として出版するにあたり、亡きリンドグレーンにむけて書いた最後の手紙の中で、53歳のサラの言葉を読めたのもよかった。 2015/04/29
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