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「あはれ」から「もののあはれ」へ

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  • サイズ B6判/ページ数 166p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000220743
  • NDC分類 910.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

先人の言葉の伝承がないところに,日々の言葉の暮らしを思うのは心細い――.無意識の豊潤な日本語の伝承のなかにある恩恵を,古典によって照らしつつ,いまの言葉の致命的な欠けとそれがもたらす空疎を危惧する.言葉に生きる同時代の者たちへの共感に信を置きつつ,言葉を恃む覚悟をあらたにする評論・エッセイ集.

内容説明

豊潤な日本語の伝統に生きることの有難さを、「百人一首」や「源氏物語」などの古典から照らしつつ、いまの言葉の致命的な欠けとそれがもたらす空疎を危惧する。言葉で生きる同時代の者たちへの共感に信を置きつつ、言葉を恃む覚悟をあらたにする評論・エッセイ集。

目次

1(記憶の継承;感じ分けるということ―古今集一一〇〇年・新古今集八〇〇年;「あはれ」から「もののあはれ」へ;藤原俊成・定家の和歌;世阿弥;不易流行)
2(「見る」に始まる;円地源氏の成立まで;小を積む;新聞の文章の時代;「聞く」から「知らせる」へ―聞書きの良書;放せない手綱;言葉の的;言葉を恃む;挨拶の喪失―『贈答のうた』刊行に;古典の日)
3(幻夢の馬―水上勉『醍醐の桜』;祖述の恩恵―小林秀雄『本居宣長』;明晰への意思―大野晋『日本語の年輪』;虚空の花―「辻邦生全集」;船で発つ―三島由紀夫・中村光夫・中島敦と横浜港;含羞と節度の彼方に―井伏鱒二と飯田龍太郎往復書簡その四十年;文化の水位―小松茂美『天皇の書』;「君とゆく道」―美智子皇后のお歌;文庫版のために―『詞華断章』)

著者等紹介

竹西寛子[タケニシヒロコ]
1929年広島県生まれ。小説家・文芸評論家。1952年早稲田大学第一文学部卒業後、河出書房、筑摩書房に勤務。1963年初めての小説「儀式」を発表、評論「往還の記―日本の古典に思う」の連載を始める。翌年この評論により田村俊子賞受賞。おもな著書に、評論『式子内親王・永福門院』(平林たい子文学賞)、小説集『鶴』(芸術選奨文部大臣賞新人賞)、小説『管絃祭』(女流文学賞)、小説集『兵隊宿』(表題作は川端康成文学賞)、評論『山川登美子』(毎日芸術賞)、評論『贈答のうた』(野間文芸賞)など。1994年作家評論家としての業績により日本芸術院賞を受賞、同年同院会員、2012年文化功労者に選ばれる。同年中國文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

30
著者が様々なメディアに発表した評論を集めたもので、古典の勉強をしている感じがします。前半が主にじっくり読ませてくれる比較的長い評論で、中ほどは短い新聞などに発表したもの、後半は文芸評論です。私はこの表題作と世阿弥についての評論をじっくりと読みました。2014/11/30

壱萬弐仟縁

16
日本人が馴染み易い秀歌の撰とは、馴染み易い言葉遣い、親しみ易い調べの撰、共感し易い情理の均衡。共有し易い感受性の撰(3頁)。よいうたによく逢うには、不断の仕込みと感応の賭けのような訓練が要る(16頁)。観阿弥の芸は、心をよみ、とらえることに敏。敵からでさえ得るものは得、学ぶべきは学んだ(59頁)。芸当、修行のためならば。義満のあとを嗣いだ義持は田楽好み。増阿弥を支援。世阿弥が苦境に立つのは義教が将軍になってから(61頁)。 2014/11/01

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